こんにちは、北條です。
前回のブログでは、
海外企業や大手流通と取引するにはHACCP認証が必須になる
HACCPは温度や調理条件などの“当たり前”を記録する管理手法
設備投資も不要なケースが多く、思っているほど難しくない
といった内容をお伝えしました。
今回は、実際にどのHACCP規格を選べばいいのか?について深掘りしていきます。
HACCP認証と一口に言っても、実は様々な規格があります。
たとえば…
ISO22000 / FSSC22000
JFS-B / JFS-C
BRC / SQF / GlobalGAP
などなど。
これらの中から自社に合ったものを選ぶ必要がありますが、
「どれを選べばいいのかわからない」という声をよくいただきます。
間違った選び方をしてしまうと、不要に高いレベルの規格を取得し、現場が疲弊するケースも多々あります。
今回は、代表的な規格を難易度やおすすめ度に分けて整理してみました。
日本国内で最も取得しやすい規格。
これまで認証経験のない企業の第一歩として最適です。
特別な設備投資も不要
書類作成や衛生管理の基本さえできていれば取得可能
海外輸出などがなければ、十分な水準
現場の負担も少なく、片手間で管理できるレベル感が特徴です。
国際規格ということで知名度はありますが、
現在はあまり選ばれなくなってきている印象です。
理由は、
手間の割に、国際的な信頼度が低い
書類や内部監査の運用コストが重くなる
もしISOを取るくらいなら、JFS-Bで十分なケースがほとんどです。
世界的に最も信頼されているHACCP規格のひとつ。
海外展開や大手流通との取引を考えている企業にはオススメです。
国際団体GFSIに承認されている
イオングループなどでも採用が進んでいる
海外バイヤーとの信頼構築には効果絶大
ただし、運用の負担は大きく、1人分の工数が必要になるレベルです。
FSSC22000と同レベルの国際認証。
ただし、国際的な知名度はFSSCより劣るため、あまり選ばれていません。
国内企業での活用が中心
海外との取引には不向き
同等の工数をかけるならFSSCを選ぶのが無難です。
これは「認証」ではなく、アメリカの法律です。
アメリカに食品を輸出するには、この**FSMA(食品安全強化法)**をクリアする必要があります。
特に以下のような食品を扱う場合は要注意:
タンパク質系食品(肉・魚など)
水分活性の高い食品(冷凍、惣菜など)
アメリカに輸出を考えている方は、FSSC22000に加え、FSMA対応も視野に入れる必要があります。
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まずは「JFS-B」を取得
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必要に応じて「FSSC22000」へレベルアップ
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この流れが、負担を最小限に抑えつつ、長期的に使える規格体系を構築できるルートです。
注意点として、高レベルの規格を選ぶと維持の負担も比例して増加します。
JFS-B … 既存の業務と並行して運用可能
FSSC22000 … 専任スタッフが1名必要なレベル
せっかく取得しても、「運用しきれず形骸化」してしまっては意味がありません。
HACCP認証は、企業の信頼性を高め、海外展開や大手流通との取引において大きな武器になります。
だからこそ、自社に合った規格を選び、無理なく維持できる運用体制を構築することが重要です。
次回のブログでは、実際にFSSC22000を取得した食品メーカーさんの「成功事例」もご紹介したいと思っています。
ぜひそちらもお楽しみに。
それではまた。
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