2025.11.07

社内に「何でも屋さん」がいると危険な理由

こんにちは、北條です。

御社には、「何でも屋さん」のような存在の方はいらっしゃいますか?

例えば──

  • 突発的に発生する業務

  • 役割が曖昧な業務

  • 少し面倒だけど誰かがやらなければならない作業

こういったタスクが出てきたとき、
「とりあえずあの人にお願いしておこう」となっている方。
社内のさまざまな雑務をオールマイティにこなしてくれている人のことです。

仕事柄、補助金申請の手続きなどで多くの会社とやり取りをする中で、
この「何でも屋さん」の存在が目立つことがあります。

一見すると非常に便利な存在で、
会社の運営を支えてくれているようにも思えるのですが──

実は、この「何でも屋さん」が社内にいることが、
大きなリスクにつながっているケースが非常に多いのです。

今回はこのテーマについて、詳しくお伝えしていきます。


「何でも屋さん」に依存する危険性とは?

問題1:社長のリソースが雑務に奪われてしまう

多くの会社では、営業や製造、総務などの業務が明確に分かれている一方で、
どこにも属さない「その他」の雑務が存在します。

この“雑務”が、社長や経営幹部に集中しているケースは要注意です。

有名な「緊急度×重要度」のマトリクスをご存知でしょうか?
このマトリクスでいうと、雑務は「緊急だが重要ではない業務(第3象限)」にあたります。

そして、社長がこの領域に時間を奪われてしまうと、
本来取り組むべき“第2象限(重要だけど緊急ではない業務)”にリソースを割けなくなってしまう
のです。

結果として、会社の成長が止まる原因にもなります。


問題2:「何でも屋さん」が退職すると業務が崩壊する

「何でも屋さん」が社員である場合も、別のリスクが潜んでいます。

それは──「その人がいなくなった途端、業務が回らなくなる」問題です。

よくある例が、パソコンや機器のメンテナンス、固定資産管理、古いシステムの操作方法など。
「いつも〇〇さんに任せていたから」という理由で、
誰も全貌を把握していないタスクがいくつも存在しているケースです。

その人が退職すると、

  • 何が誰の担当だったのか不明

  • 書類や台帳が残っていない

  • メールやアカウントが引き継がれていない

といった問題が一気に顕在化します。


解決策:「何でも屋さん」を作らないためにやるべきこと

では、どうすればこのリスクを防げるのでしょうか?

ポイントは、「その他のタスク」に分類されている業務の解像度を上げることです。

具体的には…

  • 固定資産や備品などはすべてナンバリングと台帳化

  • 業務の内容と手順をタスク単位で明確化

  • 各業務の担当者・サブ担当者を設定

  • 滅多に起きない業務こそ、手順書・連絡先・ルールを明記

こうすることで、タスクが“属人化”せず、誰が退職しても継続できる体制が整います。


まとめ:属人化を避け、仕組みで回す組織へ

「何でも屋さん」は一時的に便利に見えるかもしれません。

しかし、会社の成長を止める原因や、重大なリスクを引き起こす要因になりかねません。

  • 雑務を放置せず明確化

  • タスクは全体で共有し、属人化させない

  • 滅多に起こらないことこそ“重要”と捉える

この意識と体制をもつことで、会社の安定性と成長力は大きく変わっていきます。

もし心当たりのある方は、今のうちにぜひ見直しを進めてみてください。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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