こんにちは、北條です。
御社には、「何でも屋さん」のような存在の方はいらっしゃいますか?
例えば──
突発的に発生する業務
役割が曖昧な業務
少し面倒だけど誰かがやらなければならない作業
こういったタスクが出てきたとき、
「とりあえずあの人にお願いしておこう」となっている方。
社内のさまざまな雑務をオールマイティにこなしてくれている人のことです。
仕事柄、補助金申請の手続きなどで多くの会社とやり取りをする中で、
この「何でも屋さん」の存在が目立つことがあります。
一見すると非常に便利な存在で、
会社の運営を支えてくれているようにも思えるのですが──
実は、この「何でも屋さん」が社内にいることが、
大きなリスクにつながっているケースが非常に多いのです。
今回はこのテーマについて、詳しくお伝えしていきます。
多くの会社では、営業や製造、総務などの業務が明確に分かれている一方で、
どこにも属さない「その他」の雑務が存在します。
この“雑務”が、社長や経営幹部に集中しているケースは要注意です。
有名な「緊急度×重要度」のマトリクスをご存知でしょうか?
このマトリクスでいうと、雑務は「緊急だが重要ではない業務(第3象限)」にあたります。
そして、社長がこの領域に時間を奪われてしまうと、
本来取り組むべき“第2象限(重要だけど緊急ではない業務)”にリソースを割けなくなってしまうのです。
結果として、会社の成長が止まる原因にもなります。
「何でも屋さん」が社員である場合も、別のリスクが潜んでいます。
それは──「その人がいなくなった途端、業務が回らなくなる」問題です。
よくある例が、パソコンや機器のメンテナンス、固定資産管理、古いシステムの操作方法など。
「いつも〇〇さんに任せていたから」という理由で、
誰も全貌を把握していないタスクがいくつも存在しているケースです。
その人が退職すると、
何が誰の担当だったのか不明
書類や台帳が残っていない
メールやアカウントが引き継がれていない
といった問題が一気に顕在化します。
では、どうすればこのリスクを防げるのでしょうか?
ポイントは、「その他のタスク」に分類されている業務の解像度を上げることです。
固定資産や備品などはすべてナンバリングと台帳化
業務の内容と手順をタスク単位で明確化
各業務の担当者・サブ担当者を設定
滅多に起きない業務こそ、手順書・連絡先・ルールを明記
こうすることで、タスクが“属人化”せず、誰が退職しても継続できる体制が整います。
「何でも屋さん」は一時的に便利に見えるかもしれません。
しかし、会社の成長を止める原因や、重大なリスクを引き起こす要因になりかねません。
雑務を放置せず明確化
タスクは全体で共有し、属人化させない
滅多に起こらないことこそ“重要”と捉える
この意識と体制をもつことで、会社の安定性と成長力は大きく変わっていきます。
もし心当たりのある方は、今のうちにぜひ見直しを進めてみてください。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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