こんにちは、北條です。
私が会社員をしていた頃、
「自責思考」がなければ管理職にはなれない、
とよく言われていました。
この言葉を、最近ふと思い出す出来事がありました。
食品業界の現場で経営者の方と話していると、
「社員が使えなくて困ってるんですよね」と
おっしゃる方に出会うことがあります。
もちろん、社員側に問題がある場合もあるでしょう。
しかし、「社員が使えない」と考えること自体が、
実は大きな問題の兆しであると私は感じています。
最近目にした漫画の中に、非常に印象的なセリフがありました。
「人ごとに速度は違うのに
ノルマを強制的につくり、できないと叱責するだけ。馬は鞭を叩けば速く走ると勘違いしている御者、
子供は怒れば勉強すると勘違いしている教師。それでは部下は任せてもらえない。
無能な部下は存在しない。
チームが成果を発揮しなかった時、
それは普通の部下を、無能なリーダーが率いているだけである。」
これはフィクションの中のセリフですが、
私たち経営者にも深く刺さる言葉ではないでしょうか。
「社員が使えない」という言葉には、
**経営者自身の“他責思考”**が見え隠れしています。
私自身、これまで多くのスタッフと接してきましたが──
打たれ弱い
すぐに弱音を吐く
勤怠がルーズ
会社の備品を盗む
期限が迫ったお菓子を勝手に食べる
などなど…
確かに「問題社員」と呼ばれるような方も少なくありませんでした。
ですが、そのたびに「この人はダメだ」と切り捨てていては、
会社の成長も、改善の余地も止まってしまうのです。
経営において他責思考が現れる場面は少なくありません。
成果が出ないのは、あの社員のせい
採用がうまくいかないのは、応募者の質が悪いから
周りのレベルが低くて、自分だけ頑張っている
こうした思考に至ったときこそ、
「自分にできることはなかったか?」と立ち止まるべきです。
「いい人材が来ない」と悩む会社には、共通点があります。
オフィスが小汚い
Webサイトが古くて魅力がない
労働条件が悪く、場所も辺鄙
当然ですが、これでは優秀な人材から見て「魅力的な職場」には映りません。
環境が整っていない会社には、環境にふさわしい人しか集まらないのです。
「いい会社に見せるための投資ができない」
そう感じているとしたら、そもそもビジネスの収益性に課題がある可能性があります。
つまり、投資できる利益を生み出せないビジネスモデルを続けているということ。
これはまぎれもなく、経営者の責任です。
採用や人材の問題にぶつかったときこそ、
自分自身の器や会社の体質を見直すタイミングです。
「自分の下にどういう人材がいるのか」は、
すべて自分が作り出した環境の反映。
他責思考は、とても虚しい思考です。
「人のせいにする」というのは、
裏を返せば「自分には何もできない」と言っているようなものです。
だからこそ、どんなときも自責思考に立ち返り、
自分を・会社をアップデートし続けることが必要です。
2代目・3代目社長さんは、優秀な方が多いです。
一度外に出て、他社で経験を積んでから家業に戻ってきているため、
基準値が高く、視座も高い方が多い。
しかし──
家業に集まる人は、必ずしもその基準値にはついてこないのが現実です。
自分自身が過去に、家業と縁がなければ
「本当に今の会社に応募したいと思えるか?」
この問いを一度、自問してみてください。
社員が使えないと感じたときこそ「自責思考」へ
会社の見え方が、人材の質に直結する
投資できる会社にするには、まずは利益体質を見直す
人のせいにしない。改善できるのは、経営者自身しかいない
未来を変えるのは、環境ではなく、まず自分自身の考え方からです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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