こんにちは、北條です。
アカネサスでは、コンサルティング会社として
お客様の業界動向を常にアップデートすることに注力しています。
なぜなら、
業界に詳しくならない限り、
成功するビジネスモデルを描くことはできないからです。
そして何より重要なのが、
「一度調べて終わり」ではなく、
情報を継続的にアップデートし続けることです。
特に食品業界では、
豆腐・パン・ドレッシングなどの個別分野の情報は、メディアで取り上げられることがほとんどありません。
つまり、自分から情報を取りにいかない限り、
業界の変化に取り残されてしまうのです。
実際、業界全体の流れを掴めていない会社が非常に多いと感じます。
業界変化に気づけないと──
業界全体が縮小していても、気づかない
顧客の要求変化に気づかない
対応が後手に回る
といった問題が起こります。
特に、
地域限定で商売をしている方
特定業界に長く身を置いていて、変化に目を向けにくい方
には、あらためて業界全体の動きに目を向ける重要性をお伝えしたいと思います。
ここからは、私が実際にどのように業界情報をリサーチしているかをご紹介します。
まず例として、茜丸が属する「製餡業界」のリサーチ方法を挙げます。
経済産業省が公開している
製造品に関する統計表
をもとに、「あん類」のデータを見てみると──
出荷金額:大きな変化なし
産出事業所数:2015年〜2019年にかけて大幅減少
特に2016年には、約50事業所が閉鎖されました。
この年は小豆の不作と重なっており、
原価高騰で収益性が低い企業が廃業したと推測できます。
それでも出荷額はほぼ横ばい。
つまり、
大手企業への需要が増加
品質・安全性の要求が高まり、対応できない企業が撤退
残った企業の収益が上がっている
といった構造が見えてきます。
この分析から、次のような戦略が導き出せます。
「生産能力を高め、商品開発力を上げることが競争優位になる」
逆に、業界全体が縮小傾向なら、
その市場で収益を上げるのは難しいことも見えてきます。
続いておすすめなのが、経済産業省の工業統計表や
総務省の家計調査データの活用です。
▶︎ 総務省 家計調査データ
これらを時系列で追うことで、
業界の変化を俯瞰して把握できます。
たとえば「饅頭」の生産量を比較すると、
2015年:1321
2024年:898
と減少傾向です。
一方で「あんこの出荷量」は横ばい。
つまり、饅頭以外の用途(パンやスイーツなど)への転用が進んでいる、
といった仮説が立ちます。
より深く分析したい場合は、リサーチ会社の有料データを使うのも有効です。
東京商工リサーチ
帝国データバンク
矢野経済研究所
富士経済
弊社でも食品業界全体の企業データを
「東京商工リサーチ」から購入したことがあります。
1件あたり50〜100円で全国企業を取得し、
分析に役立てました。
また「矢野経済研究所」のように、
単なる数値だけでなく、展望・戦略がまとめられたレポートもあります。
ただし、注意点もあります。
こうしたレポートは発行まで1〜2年のタイムラグがあるため、
最新動向を掴むには不十分な場合もあります。
また、1冊20万円ほどと高額です。
それでも、売上数億円規模の企業にとっては十分に価値のある投資だと思います。
飲食・外食業界は変化のスピードが速く、
地域によっても傾向が異なります。
そのため私は、「食べログ」掲載店舗のデータを抽出し、一覧化しています。
いわゆる「スクレイピング」という作業です。
もちろん自分で手作業するわけではなく、
外部のフリーランスサイト「ランサーズ」などで依頼しています。
比較的安価に対応してくれるので、
市場動向の把握に非常に役立ちます。
業界に長くいると、
「経験でわかっている」と思いがちですが、
データで見ると意外な発見があるものです。
たとえば、
「競合が何社あるのか?」「どんなウリを持っているのか?」
といったミクロな視点に加え、
マクロな視点で業界全体を定期的に見直すことが大切です。
成功するには、自社業界を深く理解することが必須
データを用いた“客観的な視点”がビジネス判断を強くする
常に「情報を更新し続ける」ことが、企業を成長させる原動力
業界の動きを数字で掴むこと。
これこそが、変化の時代に生き残る第一歩です。
北條
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