2025.05.23

「企業の収益性」と「経営者の能力」は無関係?

こんにちは、北條です。

先日、ありがたいことに「日本一のマーケター」とも称される神田昌典さんと1対1でお話しする機会がありました。

その中で印象的だったのが、この言葉です。


『企業の収益性』と『経営者の能力』は、無関係である。


一瞬ギョッとするような言葉ですが、よくよく考えると一理あります。
とはいえ、「経営者の能力がまったく関係ない」とも言い切れないのが現実。

僕自身はこう考えています。

事業のフェーズによって、経営者の能力が収益に与える影響は変わってくる

今回はこの視点から、

  • 経営者の能力に関係なく事業が伸びるケース

  • 経営者の能力が不可欠なフェーズ

この2つについて、お話ししていきます。


時流に乗れば誰でも儲かる?

僕の知人に、レンタルビデオ事業のフランチャイズで成功した方がいます。

当時、レンタルビデオ業界はまさに“時流のど真ん中”。
出店すれば自然と売上がついてきました。

こうした「時流に乗った成功例」では、実は経営者の能力はあまり問われません

つまり——

  • その時代に儲かる商売に乗る

  • 商品が魅力的で広告も打てている

この条件が揃えば、誰がやってもある程度うまくいくのです。


「継続できる」経営者こそ本物

僕は、こう考えています。

「10億円を一気に儲けた人」よりも、
「1億円を10年継続している人」の方が、経営者としての能力は高い。

後者のような人の方が、今後20年でも安定して成果を出し続けられると確信しています。


市場とプロダクトにはライフサイクルがある

「プロダクトライフサイクル」という言葉をご存じでしょうか?

すべての市場や商品は、

  • 導入期

  • 成長期

  • 成熟期

という段階を経て、最終的には衰退します。

トレンドに乗っている間(導入〜成長期)は、能力に関係なく事業が伸びることもあります。

しかし、成熟期以降は「経営者の真価」が問われるフェーズです。

市場が飽和し、競争が激化する中でどう動くか。
これが、経営者の能力の見せどころになります。


ライフサイクルはどんどん短くなっている

最近の特徴として、プロダクトライフサイクルはどんどん短期化しています。

『拡張の世紀』(ブレッド・キング著)でも言われている通り、
ネットの発達により、商品やビジネスは一気に拡散し、短期間でピークを迎える傾向にあるのです。


守りながら攻める経営へ

こうした時代背景の中で、現代の経営者に求められるのは、

「既存の事業を守りつつ、新しい挑戦を続ける力」

です。

実際、僕自身も2020年に「事業再構築補助金ブーム」に乗り、一気に事業を拡大しました。
公募が出る前から情報を収集し、すぐにセミナー準備を進めました。

結果的に、8ヶ月ほどでブームは終了。潔く撤退しました。


創業に必要な力 vs 継続に必要な力

ここで一つ明確な違いがあります。

  • 創業に必要な力:根性、カン、勢い

  • 継続に必要な力:先見性、知性、構想力

だからこそ、僕はこう思っています。

創業者よりも、後継の経営者の方が、能力が高いケースが多い

時代の変化に柔軟に対応し、長く成果を出すためには、継続型の知的戦略が求められるからです。


まとめ:成熟期に入ったら「後者の力」を意識せよ

もし、今あなたの会社が成熟期に差しかかっているなら、
これから求められるのは「継続力」や「進化力」です。

つまり、今後は後者型の経営力を意識して、
「新しい挑戦」にも舵を切っていくことが重要です。

過去の記事でも繰り返しお伝えしていますが、
「新しいことを始める」ことを忘れずに。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

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