こんにちは、北條です。
先日、ありがたいことに「日本一のマーケター」とも称される神田昌典さんと1対1でお話しする機会がありました。
その中で印象的だったのが、この言葉です。
一瞬ギョッとするような言葉ですが、よくよく考えると一理あります。
とはいえ、「経営者の能力がまったく関係ない」とも言い切れないのが現実。
僕自身はこう考えています。
事業のフェーズによって、経営者の能力が収益に与える影響は変わってくる
今回はこの視点から、
経営者の能力に関係なく事業が伸びるケース
経営者の能力が不可欠なフェーズ
この2つについて、お話ししていきます。
僕の知人に、レンタルビデオ事業のフランチャイズで成功した方がいます。
当時、レンタルビデオ業界はまさに“時流のど真ん中”。
出店すれば自然と売上がついてきました。
こうした「時流に乗った成功例」では、実は経営者の能力はあまり問われません。
つまり——
その時代に儲かる商売に乗る
商品が魅力的で広告も打てている
この条件が揃えば、誰がやってもある程度うまくいくのです。
僕は、こう考えています。
「10億円を一気に儲けた人」よりも、
「1億円を10年継続している人」の方が、経営者としての能力は高い。
後者のような人の方が、今後20年でも安定して成果を出し続けられると確信しています。
「プロダクトライフサイクル」という言葉をご存じでしょうか?
すべての市場や商品は、
導入期
成長期
成熟期
という段階を経て、最終的には衰退します。
トレンドに乗っている間(導入〜成長期)は、能力に関係なく事業が伸びることもあります。
しかし、成熟期以降は「経営者の真価」が問われるフェーズです。
市場が飽和し、競争が激化する中でどう動くか。
これが、経営者の能力の見せどころになります。
最近の特徴として、プロダクトライフサイクルはどんどん短期化しています。
『拡張の世紀』(ブレッド・キング著)でも言われている通り、
ネットの発達により、商品やビジネスは一気に拡散し、短期間でピークを迎える傾向にあるのです。
こうした時代背景の中で、現代の経営者に求められるのは、
「既存の事業を守りつつ、新しい挑戦を続ける力」
です。
実際、僕自身も2020年に「事業再構築補助金ブーム」に乗り、一気に事業を拡大しました。
公募が出る前から情報を収集し、すぐにセミナー準備を進めました。
結果的に、8ヶ月ほどでブームは終了。潔く撤退しました。
ここで一つ明確な違いがあります。
創業に必要な力:根性、カン、勢い
継続に必要な力:先見性、知性、構想力
だからこそ、僕はこう思っています。
創業者よりも、後継の経営者の方が、能力が高いケースが多い
時代の変化に柔軟に対応し、長く成果を出すためには、継続型の知的戦略が求められるからです。
もし、今あなたの会社が成熟期に差しかかっているなら、
これから求められるのは「継続力」や「進化力」です。
つまり、今後は後者型の経営力を意識して、
「新しい挑戦」にも舵を切っていくことが重要です。
過去の記事でも繰り返しお伝えしていますが、
「新しいことを始める」ことを忘れずに。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。
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