こんにちは、北條です。
「経営者は孤独である」
「経営者は見栄っ張り」
こんな言葉を聞いたことはありますか?
僕の経験上、多くの中小企業の経営者はこのどちらか、あるいは両方の要素を持っていることが多いと感じています。
今回はそのうちの一つ、「見栄」にとらわれる経営者についてお話ししたいと思います。
ビジネスで成功する方法は無数にあります。
ですが、その反対——「うまくいかない人の共通点」は、ある程度はっきりしているのです。
その一つが、「見栄」をモチベーションにしていること。
どう思われるか?
周囲にどう見えるか?
という「他人軸」で判断してしまう経営者は、うまくいかないケースが多く見られます。
例えば、僕の会社・茜丸はあんこを作っています。
これは一見“地味”な商売に見えるかもしれません。
そんな中で、同業者がオシャレなカフェを始めたらどうなるか?
見栄をモチベーションにしている経営者なら、
「羨ましい」
「悔しい」
「自分もあんなキラキラした事業がやりたい」
と感じ、つい事業展開を始めてしまうのです。
以前も触れましたが、新規事業とは経営者の時間とエネルギーを大量に使うものです。
だからこそ、「見栄」だけを動機に新しいことを始めるのは非常に危険です。
最近では、「SDGs」や「ソーシャルグッド」といった言葉が流行し、
企業が社会貢献に取り組む姿勢が求められるようになっています。
もちろん、これ自体が悪いわけではありません。
問題は、動機の源泉が“見栄”である場合です。
社会的によく見られたい
マスコミに取り上げられたい
共感されたい
このような気持ちが先行して、事業の軸がズレてしまうと、本来やるべきことがブレてしまいます。
例えば、オシャレなカフェやスターバックス、ディズニーランドのような“キラキラした職場”は人気があります。
でも、そういう職場は応募が殺到する=競争が激しい=利益が出にくい。
これはバイトの世界だけでなく、ビジネスでも同じです。
人が群がる事業は飽和しやすく、価格競争に陥り、結果として儲からなくなります。
コンサル業界でも、似たような傾向がありますね。
「〇〇コンサルタント」が増えすぎて、競争が激化しています。
最終的に勝ち残るのは、**「地味でも、理念に沿って事業を続ける会社」**です。
そしてその経営者は、
他人の意見に流されない
評価や称賛を求めない
社会の風潮に振り回されない
といった特徴を持っています。
誰しも、人からよく思われたい気持ちはあるものです。
ですが、「見栄」をベースに事業を選んでしまうと、
本来の目的がズレていき、経営者の労力が分散し、最終的には成果が出なくなります。
「見栄」は最も高くつくコストの一つかもしれません。
今回は「見栄」にとらわれる経営者についてお話ししました。
次回はこの対極にある、**「孤独な経営者」**のマインドについてお届けします。
実は、成功している人ほど持っているこの「孤独の感覚」。
ぜひお楽しみにお待ちください。
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