2025.05.19

『見栄』にとらわれる社長

こんにちは、北條です。

「経営者は孤独である」
「経営者は見栄っ張り」

こんな言葉を聞いたことはありますか?

僕の経験上、多くの中小企業の経営者はこのどちらか、あるいは両方の要素を持っていることが多いと感じています。

今回はそのうちの一つ、「見栄」にとらわれる経営者についてお話ししたいと思います。


成功の法則は無限にあるが、失敗には共通点がある

ビジネスで成功する方法は無数にあります。
ですが、その反対——「うまくいかない人の共通点」は、ある程度はっきりしているのです。

その一つが、「見栄」をモチベーションにしていること

  • どう思われるか?

  • 周囲にどう見えるか?

という「他人軸」で判断してしまう経営者は、うまくいかないケースが多く見られます。


「地味」な商売がイヤ?キラキラ事業への誘惑

例えば、僕の会社・茜丸はあんこを作っています。
これは一見“地味”な商売に見えるかもしれません。

そんな中で、同業者がオシャレなカフェを始めたらどうなるか?
見栄をモチベーションにしている経営者なら、

  • 「羨ましい」

  • 「悔しい」

  • 「自分もあんなキラキラした事業がやりたい」

と感じ、つい事業展開を始めてしまうのです。


新規事業=経営者の時間を使うもの

以前も触れましたが、新規事業とは経営者の時間とエネルギーを大量に使うものです。

だからこそ、「見栄」だけを動機に新しいことを始めるのは非常に危険です。


「社会的な見栄」にも注意が必要

最近では、「SDGs」や「ソーシャルグッド」といった言葉が流行し、
企業が社会貢献に取り組む姿勢が求められるようになっています。

もちろん、これ自体が悪いわけではありません。
問題は、動機の源泉が“見栄”である場合です。

  • 社会的によく見られたい

  • マスコミに取り上げられたい

  • 共感されたい

このような気持ちが先行して、事業の軸がズレてしまうと、本来やるべきことがブレてしまいます。


他人軸で動くと儲からない事業に巻き込まれる

例えば、オシャレなカフェやスターバックス、ディズニーランドのような“キラキラした職場”は人気があります。
でも、そういう職場は応募が殺到する=競争が激しい=利益が出にくい。

これはバイトの世界だけでなく、ビジネスでも同じです。

人が群がる事業は飽和しやすく、価格競争に陥り、結果として儲からなくなります。

コンサル業界でも、似たような傾向がありますね。
「〇〇コンサルタント」が増えすぎて、競争が激化しています。


勝ち続ける会社の共通点

最終的に勝ち残るのは、**「地味でも、理念に沿って事業を続ける会社」**です。

そしてその経営者は、

  • 他人の意見に流されない

  • 評価や称賛を求めない

  • 社会の風潮に振り回されない

といった特徴を持っています。


まとめ:見栄は“本質”を曇らせる

誰しも、人からよく思われたい気持ちはあるものです。

ですが、「見栄」をベースに事業を選んでしまうと、
本来の目的がズレていき、経営者の労力が分散し、最終的には成果が出なくなります。

「見栄」は最も高くつくコストの一つかもしれません。


次回予告:「孤独な経営者」のリアル

今回は「見栄」にとらわれる経営者についてお話ししました。
次回はこの対極にある、**「孤独な経営者」**のマインドについてお届けします。

実は、成功している人ほど持っているこの「孤独の感覚」。
ぜひお楽しみにお待ちください。

お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。