こんにちは、北條です。
ここ最近、設備投資のコストが急激に上昇しています。
原材料費や人件費に加えて、建設費用も高騰している今の時代では、これまで通りのやり方で工場を建てようとすると、プロジェクト自体が頓挫してしまうケースも増えています。
そこで今回は、時代に合わせた新しい工場建設の考え方についてお伝えしたいと思います。
私たちアカネサスでは、補助金支援をはじめ、HACCP認証の取得や工場設計の基本構想の立案まで、幅広くサポートしています。
その中で強く感じているのが、
これから新しく工場建設をするなら、「選択と集中」が不可欠だということです。
従来の工場建設の発想は、
「今ある工場が古くなったから建て替えたい」
「これまでと同じ製造ラインを再現し、+αで新ラインを追加したい」
というものでした。
つまり、「今ある100種類の商品は、今後も全部作れるようにしたい」という発想です。
しかし、この発想のまま工場を新設しようとすると——
たとえば最近では、
麺の工場で、売上の2倍の建設費が必要になった
練り物工場で、売上の2.5倍の建設費がかかった
といった事例もありました。
当然、こうなると銀行の融資が難しくなり、補助金を活用しても立て替え額が大きすぎてリスクが高くなるため、プロジェクト自体がストップしてしまうのです。
そこで、私たちが提案しているのが、
「生産品目を絞った新工場計画」です。
すべての商品を自社で作るのではなく、勝負できる商品に集中する。
具体的には、
売上・コスト・品質ともに業界ナンバーワンを狙える商品に絞る
その他の商品は、OEM(外注)などで対応する
というスタイルです。
リソースが限られている中で、なんでも作ろうとすると生産性が落ちます。
得意分野に特化することで、
生産性アップ
コストダウン
ブランド力の強化
が可能になります。
ただし、すべての企業にこの戦略が合うわけではありません。
特に**小売型のビジネス(店舗展開など)**の場合、
商品点数が多いことが魅力
お客様が「選べる楽しさ」を求めている
という特性があるため、ラインナップを減らす戦略は不利になる可能性があります。
そのような場合は、
一部の商品をOEMで外注
冷凍対応で日持ちさせ、工場の負担を減らす
といった手段を組み合わせて対応するのが有効です。
これからの時代は、
「全部自社でやる」にこだわるほど、コスト負担が重くなる
時代です。
むしろ、不得意な商品は他社に委ねる柔軟性が、経営の持続性を高めます。
自社の“核”となる商品だけを製造
その他は信頼できるOEM先に任せる
このような「選択と集中」が、建設費・設備費が高騰する今の時代において、事業を成長させるためのカギになるのです。
今後、新工場を計画する場合は、次の観点を意識してみてください。
商品ラインナップを見直す
収益性・生産性の高い商品に集中する
OEMや冷凍技術を組み合わせてコストを抑える
このような視点で工場設計に取り組むことで、現実的なコストで、収益性の高い新体制を構築することが可能になります。
もし、現在工場建設やリニューアルを検討中で、
「建設費の見積もりが思ったより高すぎる…」
「本当に今のまま全商品を生産するべきか悩んでいる…」
という方がいれば、お気軽にご相談ください。
それでは、また次回お届けします。
お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。