こんにちは、北條です。
突然ですが、
御社では「新規の取引先」と「既存の取引先」、どちらに力を入れていますか?
多くの企業は新規顧客の獲得に力を入れる一方で、既存顧客を軽視してしまう傾向があります。
なぜなら、既存顧客からの売上は「当たり前の収益」と見なされがちだからです。
しかし、それが思わぬ落とし穴になることもあるのです。
今回は、「既存顧客軽視による損失」について、実際の事例をもとにお伝えしたいと思います。
ある食品機械メーカーは、長年取引していた代理店A社から
「こんな機能が欲しい」「ここを改善してほしい」といった要望を繰り返し受けていました。
しかしメーカー側は、その要望を一切受け入れずにスルーし続けます。
おそらくコストが増えることを懸念したのでしょう。
数年後、代理店A社は自社で機械の製造を開始。
しかも、機能面でも改良された高性能な機械はメディアでも話題となり、爆発的にヒットしました。
結果、元の機械メーカーは売上が半減。
まさに“業界内のポジションを奪われる”事態に陥ったのです。
もし最初に「専用モデル」の共同開発などで対応していれば、
代理店A社を囲い込むことができ、安定した売上を確保できたはずです。
顧客は日々成長しています。
それに伴い、要望も変化し、要求のレベルも上がっていきます。
にもかかわらず、多くの企業は「慣れ」や「驕り」から改善を止め、
目先の新規顧客にだけ目を向けてしまいがちです。
しかし、それは結果的に競合に抜かれるリスクを高める行為です。
とある食品メーカーでは、中国企業から合弁の提案を受けました。
しかし、技術流出のリスクを懸念し、この話を断ります。
するとその中国企業は自社で工場を立ち上げ、
独自に事業を展開し始めたのです。
結果として、元の日本企業は年間1億円超の売上を喪失。
技術の囲い込みは大事ですが、相手のニーズを無視するリスクも同時に存在するという教訓です。
2つのケースに共通しているのは、
相手の要望を軽視したこと
目先の利益を優先したこと
現状に甘んじたこと
これが長期的な損失を招いたという点です。
私自身の経験としても、「この取引先は楽に利益が出るな」と感じたときほど危険です。
なぜなら、
コストをかけずに儲かっている
相手からの不満が高まりやすい
新しい提案や改善を怠っている
という状態になっているからです。
そういった**“美味しい取引先”こそ、ある日突然他社に切り替えられる可能性**が高いのです。
今一度、以下のポイントを意識してみてください。
✅ 既存顧客の声に耳を傾けているか?
✅ 長期的な関係構築に取り組んでいるか?
✅ 自社の“驕り”が出ていないか?
既存のお客様こそ、戦略的な囲い込みが必要であり、
「慢心」こそが最大のリスクです。
ぜひ、日々の営業や開発の中でも、
「既存顧客への対応」を改めて見直すきっかけにしていただければ幸いです。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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