2025.07.23

事業を大きくしたいなら『同業他社との合併』がベストな理由

こんにちは、北條です。

前回のブログでは、経営を伸ばすための3つの指標をご紹介しました。


1. 付加価値(商品粗利)

2. 生産能力(人員数・工場のキャパシティ)

3. 品質(不良率の低さ)


しかし、食品業界において「付加価値」の最大化には限界があります。

例えば、どら焼きを1個1,000円で売るのは現実的に難しいですよね。
つまり、「単価アップ」だけで勝負するのは厳しいのが実情です。

そこで、今回は「2. 生産能力」に焦点を当てた話の続きです。


生産能力アップが事業拡大の近道

現在、人手不足と流通の大規模化により、発注ロットはますます大きくなっています。

生産能力を高めるために思い浮かぶのは「新工場の建設」。
ですが、近年の建設コスト高騰により、回収が難しいケースも増えています。

前回のブログでは、その代替案として「M&A(企業買収)」を紹介しました。
今回は、具体的にどんな企業と、どう繋がるべきかを解説します。


M&Aは「同業他社」一択で考える

まず大前提ですが、M&Aすべきは「同業他社」に限るというのが私の考えです。

異業種の会社とM&Aしても、生産設備は活かせません。
たとえば、どら焼きメーカーが調味料メーカーを買収しても、どら焼きの生産は増えません。

つまり、「同じ設備・同じ商品を扱っている企業」でなければ、
M&Aによる生産性向上の恩恵は極めて小さいのです。


M&Aの意外な副次的メリット

同業とのM&Aは、単なる「生産量アップ」だけでは終わりません。
たとえば以下のような経営的メリットもあります:

  • 営業ルートが重複する場合、営業人員を他部門に再配置できる

  • 拠点が増えることで、災害リスクの分散が可能に

  • 不要な工場を閉鎖し、リソースを再分配できる

これらは、中長期で見ても大きな成長要因になります。


良いM&A先はどう見つける?

M&Aの相手探しには、以下の3つの方法があります。


1. 銀行・金融機関からの紹介

メインバンクが紹介してくれるケースもあります。
銀行側もM&Aによる手数料収入があるため、前向きに動いてくれます。

しかし、ニッチ業界や地域性の強い業界では難しいのが現実。
同業が遠方に散っている場合、地銀や信金では接点が持ちづらいです。


2. M&A仲介会社に依頼する

「日本M&Aセンター」などが代表的な仲介会社です。
実績は豊富ですが、**マージンが非常に高額(数千万円単位)**になることが多く、
費用対効果に疑問が残ります。


3. OEMから関係を築く(最もおすすめ)

私が最もおすすめしたいのは「OEMで繋がる」方法です。

これは昔ながらのやり方ですが、非常に効果的です。
同業他社の中でも、取引関係にある会社とM&Aするケースは多く、

  • 経営が厳しい会社

  • 後継者がいない会社

が自然とグループに入り、従業員の雇用も守られます。


ライバルではなく“未来の仲間”として

同業と積極的に関わろうとしない企業が多いのは事実です。
ですが、私自身はむしろ親密になることをおすすめします。

たとえば、自社で手間がかかる製品はOEMで外注してみてください。
一時的に利益は落ちても、関係が深まり、信頼関係を築く土台になります。

M&Aは「結婚」に近い感覚があります。
知っている相手の方が、うまくいく確率が高いのは当然ですよね。


まとめ:コストを抑えた成長戦略を

お金をかけて無理な買収をするよりも、
信頼できるOEM先と、中長期的に関係を育てる方が成功率が高いです。

特に、コストパフォーマンスの高い成長戦略を望む方には、
ぜひこの視点を取り入れていただきたいと思います。

それではまた次回、ブログでお会いしましょう。

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