2025.06.04

【M&A成功事例】年商1億→年商100億に育った会社の戦略

こんにちは、北條です。

前回のブログでは、M&Aによって事業を1→10へとスケールさせる方法についてお話ししました。

食品業界のような成熟市場では、ヒット商品を出して爆発的に売上を伸ばすのが年々難しくなっています。
しかも、人手不足により生産が追いつかないという構造的課題もあります。

そんな中で注目されているのが、M&Aによる事業拡大です。
今回は、その成功事例と実践的な戦略についてお伝えします。


食品業界が抱える“スケールの壁”

昭和の時代とは異なり、現代の日本では飢えに苦しむ人はほとんどいません。

あらゆる食品が出尽くした中で、
「ヒット商品で一気に売上を伸ばす」
という成長モデルは、非常に難しくなっています。

しかも、もしヒット商品が出たとしても、人手不足で生産が追いつかない

つまり、普通のやり方ではスケールアップが難しいのが現状です。


そんな中で注目されるのが「M&A」

こうした中でも、M&A(企業買収)を活用すれば、事業を拡大できるチャンスが広がります。

今はM&A市場が「売り手市場」。
利益が出ている優良な企業は、すぐに買い手がつく状態です。

御社においても、良い条件の会社に出会えれば、
効率よく事業を成長させられる可能性があります。

ただし、重要なのは——

購入後に運用コストがかからない、優良な案件に出会えるかどうか

これが、M&A成功のカギになります。


なぜM&A仲介会社に頼りきってはいけないのか?

M&Aを考えたとき、多くの方が最初に相談するのは「M&A仲介会社」かもしれません。

ですが、私の実感としては、

本当に良い条件の企業は、仲介会社から紹介されにくい

というのが現実です。

仲介会社経由で紹介される案件の多くは、残り物のような案件が多い印象があります。
実際に、条件の良い企業は水面下で取引されていることが多く、表に出てこないのです。


【成功事例】年商1億 → 年商100億の食品メーカー

ここで、ある食品メーカーの実際の成功事例をご紹介します。

この企業は、もともと年商1億円程度の会社でしたが、
M&Aを活用し、数十年のうちにグループ年商100億円を超える企業へと成長しました。

しかも、M&Aが一般的になる20年以上前からM&Aを活用していたとのこと。
時代を先取りした戦略が、長期的な成長につながっていたのです。


銀行から“好条件の案件”が舞い込む理由

この企業が成長できた最大の理由は、

銀行との関係性をしっかり築いていたこと

です。

彼らは、M&Aの案件紹介を仲介会社ではなく銀行から受けていたのです。

銀行から見て、

  • 貸付に対する責任感がある

  • 地域経済への貢献(雇用の創出など)が期待できる

という評価があり、“信頼できる買い手”として認知されていたのです。

結果として、毎月1件ペースでM&A案件が紹介され、
その中から条件の良いものだけを選び、着実に事業拡大を果たしています。


銀行から良い案件をもらうためにすべきこと

銀行から好評価を得るには、以下のような姿勢が大切です。

  • 決算書の内容を重視する(見せ方も大事)

  • 節税よりも利益を出して、しっかり納税する意識を持つ

税金を抑える工夫も必要ですが、銀行からの信用を得るには「稼いでいる姿」を見せることが有効です。


M&Aに潜む“書面に現れない地雷”にも注意

実は私自身、まだM&Aの実行経験はありません。

ですが、最近は茜丸にもM&Aの売買両面の話が舞い込んできており、
市場が活発になっていることを肌で感じています。

ただし、慎重な見極めも必要です。

決算書だけを見て判断すると、
見えないリスク(地雷)に引っかかる可能性があるからです。

たとえば…

  • 違法建築で操業している

  • 排水トラブルで行政処分が懸念される

  • 機械の老朽化や衛生面のリスク

こうした問題は、決算書には一切載っていません。


M&Aを成功させるための3つのポイント

最後に、今回の内容をまとめます。
M&Aで事業を成長させたい方が意識すべきポイントは次の3つです。


1)M&Aの良い案件は“銀行”から来る

仲介会社ではなく、信頼関係を築いた銀行経由で情報を得るのが理想。


2)銀行からの評価を上げる努力を日々行う

利益をしっかり出し、納税する。
決算書を「銀行が評価しやすい形」で整えておく。


3)決算書に出ない情報にも注意を払う

現場確認や法的リスクのチェックなど、見えない部分にこそリスクが潜む


これらを意識していくことで、M&Aを活用した持続的成長戦略が現実のものになります。

それではまた、次回お会いしましょう。

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