2025.05.16

【儲け話に乗るべきか?】新規事業を伸ばすための条件

こんにちは、北條です。

今回は「新規事業」についてお話ししますが、あくまでも僕自身の考えをもとにした内容です。
特に、年商20〜50億円規模の若手経営者の方に向けた視点となっています。

その前提を踏まえて、ぜひご覧ください。


儲け話が来たら…あなたはどうしますか?

小さな事業を経営していても、数ヶ月に一度は「これ、やってみたい!」と思うような、いわゆる“儲け話”に出会います。

しかし、僕は基本的に簡単には手を出さないようにしています
今回は、その理由についてお話しします。


年間20億以上の利益を出す社長の一言

昔、毎年20億円以上の利益を出している大企業の社長と面談をしたことがあります。

その社長はこう言いました。

「儲け話なんて、いくらでも来ます。数億円レベルの案件なら珍しくありません。
でも、ほとんど手を出しません。」

その理由を聞いて、僕は深く納得しました。

以降、僕自身も「これやってみたい」と思うような話があった時には、
その社長の考え方を思い出すようにしています。


新規事業を始める前に確認すべき視点

経営者と社員では「能力の種類」が違う

中小企業の場合、経営者と一般社員のスキル・マインドセットには大きな差があります。

特に後継者の場合、子供の頃から期待されて育ち、
高学歴や大企業での経験を持っている人も多いでしょう。

結果として、社員と比べて圧倒的に「立ち上げ力」があるのです。


新規事業に必要な「フルコミット」

だからこそ、経営者がフルコミットすれば成立する可能性もあります。

ですが、実際のところ中小企業では

  • 経営者の体力

  • 時間

  • 健康

が最も貴重なリソースであり、それを温存することが何よりも重要です。


儲け話に手を出す「条件」とは?

前述の大企業社長が新規事業に取り組む際、絶対に必要だと語った条件が以下の3つです。

条件①:10年以内に売上の1/3に到達する可能性があること

これは、相当な規模感が必要ということです。
たとえば、年商100億円の企業であれば、新規事業で30億円以上の売上が見込めなければ手を出さないということです。


条件②:本業に大きく寄与する可能性があること

つまり、新規事業が本業の強化につながることが前提です。


条件③:既存の社員で回せる可能性があること

これが最も重要な視点です。

新規事業を社内の人材で動かせるか?
そこにスキルと適性の一致があるか?
ここを冷静に見極めなければなりません。


シナジーがなければ、社員は動かせない

たとえば、製餡メーカーである茜丸の場合、社員は「あんこを作る力」を持っています。

ですが、新規事業で活躍できる力があるかというと、それは別問題です。


よくある失敗パターン

多くの経営者は「自分ができるんだから、社員もやれるだろう」と思いがちです。
しかし、実際には経営者が新規事業に半分以上の時間を費やすことになり、本業が傾いてしまうケースが非常に多いのです。

そのベテラン経営者が言っていたのは、

「だったら、その時間と労力を本業に投資した方が絶対にいい」

ということでした。


社員を新しく採用すればいいのでは?

そう考える方もいるかもしれません。

しかし、ベテラン経営者であれば誰もが理解しているのが

「優秀な人材は、簡単には採用できない」

という現実です。

そのため、新規事業を始める際も、既存の信頼できる社員に頼らざるを得ないのです。


まとめ:儲け話に飛びつく前に考えてほしいこと

「新しい」「儲かりそう」という理由で、つい飛びつきたくなるのが人間です。
でも、新規事業に必要な最も貴重なリソースは、経営者の時間です。

だからこそ、慎重になってください。


それでもやりたいなら——既存事業を手放す覚悟を

どうしても新規事業をやりたいなら、既存事業を売却する覚悟が必要です。

前回紹介した「第二創業の成功事例」にも共通しますが、

  • 既存事業も継続しながら

  • 新規事業も伸ばす

というのは、非常に難しい

既存事業を10%程度にまで減らす覚悟がなければ、うまくいかないことがほとんどです。


P.S. 経営者の「体力」は最大の財産

経営者の体力は、会社にとって最大の資産です。

少し話が逸れますが、移動時にグリーン車を使うことをおすすめします。

僕自身、使うようになってから明らかに疲れ方が違います。
ぜひ、「自分の財」を守るためにもご検討を。

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