こんにちは、北條です。
前回のブログでは、マーケティングにおける鉄則として、
ニッチな市場でNo.1を取る
小さな分野での一番は、大きな分野での6位・8位よりも価値がある
というお話をしました。
これは、船井総研創業者・船井幸雄さんが提唱した
「力相応一番主義」という考え方に基づくものです。
今回は、実際に私たちアカネサスがこの戦略をどう活用し、
ニッチ市場でNo.1を獲得してきたかについてご紹介します。
「どのくらい小さい市場を狙えばいいのか?」
これがよくいただくご質問です。
今や、商圏は日本全国、あるいは世界にまで広がっています。
つまり、「思っている以上に小さい市場」でなければ
No.1を取るのは難しいということです。
たとえば、「どら焼き」や「大福」は大きな市場です。
このジャンルでNo.1を取るには、年商50〜100億円規模が必要です。
私たちアカネサスは、創業当初こそ
「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」などの、
全業種向け補助金の申請支援を行っていました。
しかしこの分野は、大手企業や上場コンサル会社がひしめく
レッドオーシャン市場。
営業力・資金力・人材力ともに桁違いの競合に囲まれ、
北條ひとりで戦っていた当時の私たちには「力相応」ではありませんでした。
同時期に補助金支援に乗り出した、ある企業の話です。
この会社は補助金ブームで急拡大し、
年商2〜3億円から一気に30億円まで成長。
しかし、オフィス拡大・人材採用に投資した後、
補助金市場の冷え込みとともに急失速し、倒産してしまいました。
これはまさに、「力相応でない市場」に無理して参入した例といえます。
そんな中で私たちが見つけたのが、
農林水産省の補助金申請支援という、超ニッチ市場でした。
全業種向けではなく、食品メーカーに限定
建物も対象となる補助金
支援実績のある会社が少ない
市場が小さく、上場企業が参入していない
これこそが、私たちにとっての「力相応な市場」だったのです。
例えば、事業再構築補助金の予算が1兆円ある一方で、
農林水産省系補助金の予算は20〜55億円程度。
金額だけ見れば小さいですが、
専門性が求められ、
参入障壁が高く、
競合も少ない
このような市場では、たとえ小さくてもNo.1になれる可能性が高まります。
ニッチ市場に絞って注力したことで、
アカネサスは補助金支援の実績を重ね、
組織としても大きく成長することができました。
これはまさに、力相応一番主義の実証例だと感じています。
今回ご紹介した事例は、補助金業界での話ですが、
食品メーカーにも同じことがいえます。
大手と真っ向から戦うのではなく
競合が少ないジャンル・特徴に特化し
小さな市場で確実にシェアを取っていく
これが、中小企業がこれからの時代を勝ち抜く道です。
「ニッチ市場は儲からない」というのは、もう古い考え方です。
競争が激しく価格競争に陥る大市場よりも、
少数精鋭で深く刺さる小さな市場の方が、はるかに収益性が高いこともあります。
あなたの会社にとっての「力相応一番」はどこでしょうか?
その問いに真剣に向き合えば、
今後の戦略はきっと明確になっていくはずです。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。
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