2025.07.21

【経営】これからの時代の勝敗を決める要素

こんにちは、北條です。

突然ですが、御社では事業拡大のアクションを起こしていますか?

今回のテーマは、これからの時代において、企業が「存続・成長」していくために避けて通れない考え方についてです。


「企業規模」が勝負を決める時代へ

近年、企業の規模と生産性が比例するというデータが財務省からも示されています。

そんな中、先日お話しした方からこんな言葉を聞きました。

「売上も人も、これ以上増やしたくないんです」

お気持ちはとてもわかります。しかし、原材料費や人件費は上昇し、マーケットは拡大しにくい現代において、現状維持=緩やかな衰退と言わざるを得ません。


現状維持は“リスク”の時代に突入

現在は『売上を増やさない=衰退』という構図が成り立ちやすい時代です。

だからこそ、経営者は会社の規模拡大に向けた意思決定を行う必要が出てきています。


食品メーカー経営の「勝ち筋」はこの3つ

食品業界の経営指標としては、以下の3つが重要になります。


1. 付加価値(商品粗利)

2. 生産能力(人員数・工場の生産性)

3. 品質(不良率の低さ)


この中で**「1.付加価値」だけでは大きな差を生みにくい**のが現実です。

例えば、どら焼きは100円〜200円が一般的な価格帯。
単価の上振れには限界があります。

だからこそ、「2.生産能力」と「3.品質」で差をつけることが、現実的で効率の良い成長戦略と言えるのです。

今回はこの中から、**「生産能力」**に焦点を当ててお話します。


設備投資だけが選択肢ではない

もちろん、生産能力を高めるために設備投資や工場建設は有効です。

しかし現状では…

  • 冷凍設備やキュービクル:価格が約2倍に上昇

  • 建設費用:1.2倍に高騰

という厳しい状況が続いています。


補助金以外の解決策、それが「M&A」

そこで、もう一つの有力な選択肢が**M&A(企業買収)**です。


実際の事例:年商20億円企業の選択

ある素材系企業では、老朽化した工場の建て替えを検討していましたが、

  • 不動産費用

  • 設備投資

  • 建設コスト

すべてを含めて40億円超の投資が必要という試算に。

仮に補助金で8億円を活用できたとしても、32億円の自社負担が必要になります。


そこでM&Aを検討

代替案として持ち上がったのが、同業他社の買収です。

一般的なM&Aでは、営業利益の約5年分が買収金額の目安。

例えば、営業利益2億円の企業であれば、10億円ほどで買収が可能です。

つまり、

  • 自社:年商20億円

  • 買収先:年商20億円

⇒ 合計年商40億円を10億円の投資で達成できる可能性があるのです。


M&Aの現実的な検討ポイント

もちろん、単純に「買えばOK」というわけではありません。

  • 現工場の老朽化

  • 新工場で自社製品が作れるか

  • 追加投資の必要性

などの検証が必要です。

それでも、建て替えよりもはるかに低い投資額
事業規模を拡大できる可能性があるのがM&Aです。


これからの時代に求められる判断軸とは?

今回お伝えしたかったのは以下の3点です。


  • 今後の時代は、企業規模=競争力であること

  • 工場建設以外にも選択肢(M&A)があること

  • リターンを見極め、最適な手法で規模拡大を行うべきこと


私たちも現在、飲料系企業のM&A仲介を進めており、
買収・売却どちらのご相談にも対応可能です。

ご興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。

それでは、また次回のブログでお会いしましょう。

お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。