こんにちは、北條です。
前回のブログでは「見栄にとらわれる経営者」についてお話ししました。
「他人にどう見られるか?」をモチベーションにして成功する人もいますが、
見栄が動機になった事業は、長続きしにくい傾向にあります。
今回はその対極ともいえる、「孤独」を抱える経営者の話です。
一見、ネガティブに思われるかもしれませんが、実は孤独タイプの経営者こそ、大きな成功を収めることが多いのです。
成功している経営者の多くは、共通して「孤独」を感じています。
その理由は明白です。
本当に成果を出すためには、“普通の人とは違う道”を歩む必要があるからです。
誰もが売っている商品を扱えば、価格競争に巻き込まれる
皆と同じことをしていたら、飛び抜けた成果は出せない
だからこそ成功者は、
大衆とは逆の行動を取り
誰も注目していない領域を掘り下げる
といった行動をとります。
この**“変わった生き方”**が、周囲との間に溝を生み、結果的に「孤独」になるのです。
孤独な経営者は、自分なりのビジョンを持ち、周囲に流されずに突き進みます。
ですが、その反面…
同業者と話が合わなくなる
意見が合わないことで批判される
自分を理解してくれる人が減っていく
といった現象も起こります。
以下のようなリアルな事例があります。
ある北日本の水産企業。
創業から10数年で年商三桁億円を達成し、
国内だけでなく海外にも展開しています。
海外の卸を買収し、自社で流通まで完結
生産~加工~販売~輸出を一気通貫で行う
まさに業界の革新者です。
ところがその一方で、地元の漁協や同業者からはあまりよく思われていないのだとか。
理由は単純です——嫉妬と妬みです。
これはどの業界にもあること。
特に地方では、他より「一歩先に出る」企業ほど、孤立しやすくなる傾向があります。
ソフトバンクの孫正義社長も、かつては**“孤独なチャレンジャー”**でした。
2000年代のYahoo! BBでは、2,000億円以上の赤字を出し、
街頭でADSLのモデムを無料配布するという、当時の常識から逸脱した施策を打ち出しました。
当然、社内外から批判を受けたことでしょう。
それでも結果的には成功を収め、通信インフラ業界の地図を塗り替えるような功績を残しました。
孫さんは300年分の事業計画を持っているとも言われています。
長期視点で動くからこそ、周囲から理解されにくいのは当然です。
ですが、それこそが**誰にも真似できない“参入障壁”**を生むのです。
前回ご紹介した“見栄にとらわれる社長”と違い、孤独な経営者は完全に「自分軸」で経営をしています。
他人にどう思われようと気にしない
損をしても、儲からなくても、批判されてもブレない
自分が信じるビジョンを貫く
このマインドこそが、長期的に伸び続ける企業の条件なのかもしれません。
(もちろん、“完全に孤独”になると応援してくれる人もいなくなるので、ある程度の社交性は必要ですが…)
孤独を感じる瞬間は、経営者なら誰しも経験するものです。
ですが、それは決してネガティブなものではなく、新しい価値を創り出すための必然とも言えるのです。
誰にどう思われるかよりも、「何を成し遂げたいか」に目を向けられる人。
その人こそが、真に成功する経営者ではないでしょうか。
次回以降も、経営者の視点からリアルな話をお届けしていきます。
引き続きよろしくお願いします。
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