こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
本シリーズでは、
「食品メーカーの経営は、最弱点で決まる」
というテーマを扱っています。
第2回となる今回は、
「営業は10点満点。それでも倒産した」
そんな漬物メーカーの事例です。
3年前、ある漬物メーカーが倒産しました。
営業力だけを見れば、文句なしの10点満点。
しかし──
たった3ヶ月で会社は消えました。
原因は、O157(食中毒)です。
東海地方にある老舗漬物メーカー。
二代目社長は営業畑で、
誰とでもすぐに打ち解け、販路を一気に広げていきました。
納品先は全国1,000店舗。
営業チームは20人。
社長の口癖は、こうでした。
「営業こそが経営だ」
営業力:10点満点。
ここだけを見れば、成功企業そのものです。
売上は順調に伸びていました。
しかしその裏で、別の変化が起きていました。
売上は伸びているのに、利益が残らない。
さらに、品質トラブルの兆候も増えていました。
それでも社長は言います。
「売上が伸びてるから大丈夫」
見たくない数字から目を逸らしていた。
それが、この会社の最弱点でした。
ある夏、商品からO157が検出されます。
原因は、外部委託工場。
品質管理責任者の回答はこうでした。
「現地監査はしていませんでした」
結果は壊滅的でした。
そして──
3ヶ月後、倒産。
年商15億円の会社が、90日で消えたのです。
社長はこう言っていました。
「今まで問題なかった。現場はちゃんとやってる」
しかし実態はこうです。
製造部長は60代の1人のみ。
しかも社長と分断されていました。
過去5年の投資配分を見ると、さらに明確です。
品質管理:2点(実質0)
経営は足し算ではありません。掛け算です。
営業力 × 品質管理 = 信用
この会社は、
10 × 2 = 20
しかし──
O157で品質が0になった瞬間、
10 × 0 = 0
営業力10は、一瞬で無意味になりました。
もし、この会社がHACCPを導入していたらどうなっていたか。
内容:
効果:
回収費用2.8億円を回避できた可能性がある。
しかし社長はこう言いました。
「40年問題なかった」
「今さらHACCPはいらない」
結果、倒産。
自己負担100万円を惜しんで、15億円企業を失った。
この会社には、もう一つの爆弾がありました。
黒字倒産リスク
売上は伸びても、現金は減り続けていました。
営業10 × 財務2 = 崩壊
これもまた掛け算です。
食品メーカーの経営は、6つの要素で成り立ちます。
どれか1つでも50点を切れば危険。
どれか1つでも0なら、確実に倒れます。
会社は、最弱点から崩れます。
営業が強い会社は、売上に安心します。
製品が強い会社は、品質に安心します。
財務が強い会社は、数字に安心します。
しかし──
会社を倒すのは、見えていない部分です。
人は、
そして、
見なかった場所から、会社は崩れます。
ここまでで見てきた通り、
ではなぜ、経営者は最弱点を見ないのか。
答えはシンプルです。
強みに逃げるからです。
次回最終回では、
「経営者は、なぜ最弱点を見ないのか」
を掘り下げます。
── 北條竜太郎
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