2026.08.31

【経営は総合力3】経営者は、なぜ最弱点を見ないのか【全3回】

こんにちは。
アカネサス代表の北條です。

本シリーズでは、

「食品メーカーの経営は、最弱点で決まる」

というテーマでお伝えしてきました。

  • 第1回:製品10 × 営業2 → 倒産
  • 第2回:営業10 × 品質2 → 倒産

ではなぜ、経営者は最弱点を見ないのか。
そして、どうすれば見られるようになるのか。

最終回として、その本質に踏み込みます。


シリーズ目次(全3回)

  • 第1回 製品は完璧だった──それでも倒れた醤油メーカーの話
  • 第2回 営業は最強だった──それでも倒れた漬物メーカーの話
  • 第3回 経営者は、なぜ最弱点を見ないのか

1.見たくない数字が、会社を倒す

経営者には、必ず「見たくない数字」があります。

  • 在庫回転率
  • 稼働率
  • 離職率

こうした数字は、つい後回しにされがちです。

しかし──

その「見たくない数字」こそが、会社の最弱点です。

そして会社は例外なく、
その最弱点から崩れていきます。


2.アカネサスも、弱点だらけの会社です

ここまで「総合力」と話してきましたが、
実は弊社アカネサスも弱点だらけです。

  • 営業力:2(社長営業のみ)
  • システム化:5(開発途中)
  • 組織力:3(6名体制)

それでも倒れていないのは、

補助金コンサルという専門性が10だからです。

一点突破で成立しているビジネスです。

しかし──

食品メーカーは違います。

  • 作る
  • 売る
  • 守る
  • 回す
  • 育てる

すべてを同時に成立させなければならない。

どれか一つでも崩れれば、全体が崩れる構造です。

だからこそ、製造業の経営は難しい。
そして私は、その難しさを心から尊敬しています。


3.経営者が最弱点を見ない3つの理由

理由は複雑ではありません。
極めてシンプルです。

理由①:強みに逃げる

  • 開発が得意 → 新商品ばかり作る
  • 営業が得意 → 売上しか見ない
  • 技術が得意 → 設備投資に偏る

人は、自分の得意な領域に逃げます。

だから、不得意な領域(最弱点)を見なくなる。


理由②:見たくない数字を避ける

  • 「売上が伸びているから問題ない」
  • 「利益が出ているから大丈夫」

しかしその裏で、

  • 在庫は積み上がる
  • 設備は老朽化する
  • 人材は流出する

見たくない数字の中に、崩壊の兆候がある。


理由③:成功体験に縛られる

  • 「昔はこれでうまくいった」
  • 「良いものを作れば売れる」

過去の成功が、視界を曇らせます。

成功体験は、未来の弱点になる。


4.私自身も、同じ過ちを犯しました

3年前、ある食品メーカーの補助金申請を支援しました。

製品は素晴らしい。
設備も更新される。

  • 製品:10
  • 設備:10

補助金2億円、総投資5億円。
申請は採択されました。

私は誇らしかった。

しかし1年後──

「設備は入ったんですが、稼働率40%なんです」

営業体制はこうでした。

  • 営業:社長のみ
  • 新規開拓:ゼロ
  • 販路:3社依存

営業力:2

結果:

10 × 10 × 2 → 失敗

私は、最弱点を見ていなかった。

強みしか見ていなかったのです。


5.最弱点を見つける3つの質問

自社の弱点は、シンプルな問いで見えます。

質問①:3年以内に「0になる場所」はどこか?

  • 商品が売れなくなる
  • 人材がいなくなる
  • 設備が止まる

0になる可能性=最弱点


質問②:5年間で投資していない分野はどこか?

  • 営業:0円
  • 人材:0円
  • システム:0円

投資していない場所=放置された弱点


質問③:一番見たくない数字は何か?

  • 在庫回転率
  • 稼働率
  • 離職率

見たくない数字=最弱点


6.最弱点を補強する3つの戦略

弱点が見えたら、やることは3つだけです。

A:自社で補強

採用・投資・教育

B:外部と連携

代理店・OEM・クラウド

C:撤退して集中

切る・やめる・縮小する

弱点を潰すには「捨てる勇気」が必要です。


7.補助金は「強み」ではなく「弱点」に使う

多くの企業は、補助金を強みに使います。

しかし本来は逆です。

補助金は最弱点の補強に使うべきです。

  • 営業弱い → 販路開拓
  • 品質弱い → HACCP
  • IT弱い → システム導入

会社は強みではなく、弱点で倒れるからです。


8.チェックリスト

  • 6つの戦線を採点した
  • 50点以下を特定した
  • 見たくない数字を書き出した
  • それを最弱点と認めた
  • 補強計画を立てた

ここまでやって、初めてスタートです。


9.結論──見る勇気が経営を分ける

経営者の仕事は、

強みを伸ばすことではない。

致命傷になる弱点を潰すことです。

そのために必要なのは、

見たくない数字を見る勇気。


10.おわりに──私にも見たくない数字がある

正直に言えば、私にもあります。

アカネサスの「システム化の遅れ」。

  • システム化:5点

見たくない。
認めたくない。

それでも、見なければいけない。

見なければ、必ず同じ失敗をするからです。


あなたにも、あるはずです。

  • 在庫回転率
  • 稼働率
  • 離職率

その数字を、今日見てください。

それが、

会社を守る最初の一歩です。


全3回にわたるシリーズはこれで完結です。

最弱点こそが、
あなたの会社の「生存点」です。

── 北條竜太郎

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