こんにちは北條 竜太郎 です。
前回の「卵の値上がりから学べること」にて鶏卵業界のお話をしましたが、、正直、鶏卵業界のお話は他人事ではなく、食品メーカーにとっても大切なことです。
今は上代が一定の中で、安定して利益はでているけど、なにかの拍子で材料費が高騰した場合、一気に利益が取れなくなる食品メーカーもある..ということです。
前回の最後で食品メーカーが今後行うべきこととして、「商品の価値を高めて粗利益を増やすこと、=高くても売れる商品を作ることが大事」とお伝えしました。
今の原材料費の高騰や、物価高騰によって、多くの会社は「値上げしたいなぁ…」と考えているまたは、すでに値上げをしている状況だと思います。
ただ、この考えで値上げをしたとしても原価がそもそも上がっているので、利益は横ばいですよね。
今回僕がお伝えするのは、このような、「利益の増えない値上げ」ではなく、「価値が高い商品を作り、粗利を増やす方法」についてです。
そうすれば今後万が一、より大きな原価の高騰が起こったとしても生き残っていくことができるからですね。
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ではどうすれば、「値段を上げても購入してもらえる商品を作ることができるのか?」その本題に移ります。
まずはじめに、粗利を増やして、値上げをする場合、必ず必要になるのが商品の価値の底上げです。
要は付加価値を付けるということです。
ではそもそも、商品の価値とは、どうやって決まっているのでしょうか?
実は価値というのは2つの種類があります。
1つが『本質的価値』、もう1つが『知覚価値』です。
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本質的価値とは?
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本質的価値とは、その商品自体に宿る価値のことです。
例えば、どら焼きで言うと、『丹波栗を使ったどらやき』のように、そもそも原材料の価値が高いことによって高くなる価値です。
高級路線として、高級素材を使った高い商品を売っているところも多いでしょう。
つまり、あなたの会社の商品の中で、なにかの素材を高級化することで、価値を高める方法です。
この方法だと、明らかに価値の高さを演出できますが、原価ももちろん上がります。(もちろんその分高くても買ってもらえるので赤字になる心配はありませんが、、、)
そしてもう一つの”価値”が…
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知覚価値です。
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知覚価値とは、商品の実質的な価値に関係のない「感覚的な価値」のことです。
例えば、、
・大手シェフが監修
・有名人が推薦したケーキ
・見た目がかわいいケーキ
・色鮮やかなどらやき
..など、
見た目の良さや背景情報によって感じる価値のことです。
実際、僕が経営している茜丸でも、SNS映えを狙った色鮮やかなどらやきをプロデュースしました。
単価が500円もするのですが、5個セットで2500円でも、毎月100個以上、必ず売れています。
このように商品が高くても売れるのには理由があります。
それは、
・面白い商品で注目を集めたいSNSユーザーの承認欲求をくすぐったり
・ギフト需要としてギフト用に送って、送られた人から良い感想をもらいたいというような承認欲求をくすぐる
ことができるからです。
つまり、人間の欲求にマッチするような「ワクワクする要素」を追加しているのです。後は単純に、ネットが視覚のメディアです。
ですので、触った感触や、試食などで商品を判断できないため、見た目が良い商品は、高くても選ばれやすいという理屈もあります。
この「高くても売れる商品」を一番手っ取り早く理解するためには、
あなたの業界で、高くても売れている会社の商品を見つけてみてください。
楽天などで探してみて、「えっ、こんな高いのになんで売れてるの?」と思うような商品に着目することです。
おそらく視覚や知覚。このどちらの価値が突出しているのではないかと思います。
まとめると..
・価値を高めるならば、良い素材を使うか、見せ方を工夫すること
・それによって、価格が高くても選ばれるようになり利益アップに繋がる
・同じ業界で、高くても売れている商品が「なぜ売れているのか?」を考えてみる
というお話でした。
ぜひ、自社の製品に応用できないか試してみてくださいね。
いつもご覧いただきありがとうございます。
北條 竜太郎
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