2023.09.24 ネット活用

【食品メーカー】借金22億からの復活劇

こんにちは、北條です。
本日は、僕の過去の話をさせていただきたいと思います。

僕が経営する大阪の和菓子メーカー「茜丸」が一度倒産した理由と借金22億からの復活した経緯についてです。
完全に身の上話ですが、学びになる点もあるかと思いますので、

ご興味がある方はお気軽にご覧ください…

僕が現在役員を務める大阪の食品メーカー「茜丸」は、借金22億円を抱えて一度倒産しました。

ですがそこから、約10年かけて借金も全額返済することができたのです。

今日はその詳細についてお伝えしたいと思います。

読者の社長さんには、倒産の危機に瀕している方はいらっしゃらないかもしれません。

ですが、この話は僕が実際に一人の経営者として体感したことなので、

・どうして茜丸は倒産したのか?
・経営を立て直すきっかけとなった出来事
・そこから戦略をどう展開していったのか

といった情報は、あなたの経営のヒントになるかもしれません。

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僕は、2006年、当時30歳の頃、実家である茜丸に戻ってきました。
茜丸は、大阪にある会社で、茜丸五色どらやきという商品を看板にしている食品メーカーです。

現在、社員数は50人、年商12億円。

ありがたいことに経営は好調で、営業利益も1億円。
食品メーカーとしては好調な部類かと思います。

ただ、2006年に実家に戻った時、大変な事になってました。

不動産投資に失敗。それによって生じた負債が巨額で、資金繰りが厳しい状態に。

当時、借金がすでに22億もあり、売上よりも借り入れの方が大きい状態ですでに経営の危機に陥っていました。
僕が帳簿を見ると、、、、キャッシュフローが大変なことになっていました。

一番の問題は、溜まっていた借金の、返済ピッチの速さです。
当時、毎月の売上が1.5億くらいありましたが、毎月の銀行への返済が8000万〜1億円くらい。。食品メーカーなので、営業利益率が10%くらいでもいい方です。つまり、利益がほとんど取れていないのに、それを上回る返済が必要だったのです。

もう、時間の問題でした。その後、2007年に民事再生が適用されて、茜丸は、倒産しました。。

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なぜ、このような事態になったのか?
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なぜ、倒産してしまったか、その原因の一つは先程の不動産投資への失敗もありますが、食品メーカーの経営の観点でいうと一番大きな問題がありました。

それが、【大手への依存体質】です。

当時の茜丸は、ある大手パンメーカーへの納品が全社売上の4割にも及んでいました。

結局は、他人、他社、大手に依存している経営体質だったのです。
ですが、こうなってしまうのも無理はありません。
大手の卸売業者や大手メーカーと取り引きが取れれば、あとは、定期的にルート営業するだけで、そこそこ売上が上がってしまうからです。

当時の茜丸は、そんな状態に依存しきっていました。

しかし、、ある時、とある大手パンメーカーの仕事が、一方的にカットされてしました。

もともと資金繰りがギリギリだった所に、それによって資金がショートしてしまったのです。

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倒産してどうなったのか?
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倒産したらどうなったかと言うと…2007年が、リーマンショック・サブプライムローンの時期。
世の中全体が、景気が悪い状態だった頃に倒産したので、大手の取引が全部ストップし、新商品の登録が全て拒絶されることになりました。

さらに…営業に行っても、「もっと落ち着いたら来て」と、追い返される事態に…その後、銀行や主な債権者に納得いただいて、民事再生は落ち着いたけども、、【倒産した会社】という烙印は拭い去れませんでした。

大手取引先の大部分を失って、どこにも相手にされなくなったのです..

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会社を立て直した”ある気づき”
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ここからは大事な内容なので、ぜひ読んでいただきたいです。
どん底にいた茜丸でしたが、倒産後も取り引きをしてくれた数少ない会社に訪問した時に、あることに気づきました。
取引先の卸の会社の担当の方にたまたま、商品の説明に行った時のことです。
この会社さんは、茜丸を非常に気に入ってくれていて、非常にたくさんの発注をしてくださっていた会社さんです。

ふと、その担当者の方が、「あんこなんか久しぶりに食べたわ。」と仰っしゃりました。

僕はこの一言に非常に驚きました。なぜなら、卸の方は、ウチの商品の味や質を気に入って扱ってくれていたわけではないということです。
ここからわかったこと、それは、「卸」は商品の質は、そんなに重要視していない。ということです。

それまで僕は、必死に自社の商品の良いところ、味の良さを卸さんに訴えてきました。

ですが、実際に評価しているのは、エンドユーザーである小売店の方々。

つまり、卸を介していると、本当に評価してくれているお客さんの声を聴くことができない。

卸を介していると、、余計な手数料も取られてしまうし、品質をしっかり見て、商品をオススメしていない。と気がついたのです。

これが茜丸が、業務用直販 (ネット通販) を始めたきっかけです。卸を介さずに、購入者さんに直接販売する方法です。

業務用直販を活用すれば、
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・粗利が高く取れる上に、
・商品力で勝負することができる
・簡単に商圏を全国に広げることができる

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と思ったのです。

結果的に、これが大当たりでした。「あんこ」をお客さんにネットで直販する仕組みを作り上げたのです。

もちろん、ノウハウ0からでしたので、最初は苦戦しました。
初月の売上は8万5千円。
かなり苦しかった記憶があります。ですが、そこから順調に売上を伸ばしていき、たった2年で年商2億円の事業まで成長させました。

簡単ではありますが、これが茜丸が借金22億で倒産してから、
現在、復活するまでの道のりです。
実は、業務用直販は、今でも殆どの食品メーカーが力を入れていない部分です。コロナによって B to Cは、かなりネット化が進みましたが、業務用ECはまだまだ競合が少ない市場です。

あなたも、ここに着目すれば、今抱えている問題を解決する糸口になるかもしれません。

それでは、今日は長くなったので、この辺で。

最後までご覧いただきありがとうございました!

北條 竜太郎

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