こんにちは、北條です。
一昨日は「マレーシア」と「タイ」に滞在していた際のお話をしました。
コロナ前以来だったので、3-4年ぶりの訪問をしたところ物価が倍以上に高騰。
物価が上がっているけど原材料費や人件費はまだまだ追いついていなく
粗利がとても高い状態が続いているため現地企業はかなり儲かっているようでした。
例えば、お砂糖の原価は110円/1kg-くらいであり日本の半分くらい。
それでも、日本と同等もしくはそれ以上の価格でお菓子が売られているので
利益はとっても高く取れるでしょう。
当初はこの国へ輸出をしたらかなり儲かるのでは?
と一瞬頭をよぎりましたがそれほど甘い状況ではないことも今回の出張で痛感しました。
それは、食品のクオリティが同時に上がっていることです。
昔は東南アジアの食品といえば、、例えば、ケーキとかで言うと
パサパサしていて美味しくなかったり、
変に甘すぎたりなんか安っぽい味がほとんどでした。
でも、今では全くそんなことはなく普通に美味しい。クオリティが高い。
つまり、ひと昔まで海外で箔がついていた「JAPAN Quality」の強みが
失われつつあると気がつきました。
もちろん、日本酒とか、神戸牛とか、
日本のローカルの特性を活かした商品であれば別です。
たとえば、あまおうのいちごですとか日本産でないと意味がない「農産品」などについては東南アジアの所得が相当上がっているので
これからさらに盛り上がることは確実だと思います。
しかし加工食品についてはそうではありません。
でも、どら焼きとか、ケーキとか、そういった「誰が作るか」が重要ではない食品については、
すでに海外でも美味しいものが出来上がることが証明されています。
日本製の高性能な機械設備を導入し、良いレシピを開発し、日本から指導者が行けば
美味しいものはきちんと作れます。
それどころか、原材料費が安いですから日本国内の商品よりも高品質な原材料さえ使える可能性があります。
例えば、セブンイレブンにおける和菓子ベンダーの十勝大福本舗様は、
タイの大手製粉メーカーのSun Flour社とSunflour Tokachi Foods International Co., Ltd.という合弁会社を設立しています。
私自身こちらにあんこメーカーとして営業に行った経験があるのですが大変脅威を感じました。
なぜならば、非常においしくそれこそ日本のコンビニスイーツの水準に達していたからです。
しかも、タイで北海道産あずきを使用した製餡の計画さえあると聞いたからです。
Sunflour Tokachi様は当面、タイのコンビニでの販売に集中する
(その他ドン・キホーテでも販売されています)ということでしたが
日本の人手不足が今後さらに加速する中、今後日本に逆上陸する可能性もあるんじゃないかと思った次第です。
つまり、、、
高い商品を日本からわざわざ買うことの合理性が薄くなってきています。
実際、僕の家の近くにある製菓専門学校も、2割が外国人といいます。
日本に海外から学びにきている人も多いのです。
そう考えると、、、
必ずしも、「輸出」だけがビジネスチャンスではないと思いました。
・・・では、どんなビジネスが考えられるのか?
それは、「海外OEM生産」です。
つまり「海外で作って、海外 or 日本で売る」モデルです。
・海外での生産クオリティが 高くなっている
・海外の原材料費が安い。
・人件費が安い。
こういった状況のため海外の生産力を使う方法が今後とっても強力になってくるでしょう。
日本では、まず第一に人手不足があります。
工場の人手不足は、僕自身「茜丸」の方で痛感しています。
募集してもなかなか人が集まらない。やっと入ったと思ったら、
「思ったよりしんどかったです」とすぐにいなくなる、、
しかも、、人件費は海外よりも数倍の高さです。
今後人口がどんどん減っていく我が国においては
生産がどんどん難しくなっていくはずです。
そんな中、労働力が溢れている海外にて安価で高品質な食品を製造できるのは
とっても魅力的な選択肢だと思います。
次回のメルマガより、この内容を含めた
食品メーカーの「人手不足」解消策について少しずつお伝えしてきます。
北條 竜太郎
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