2024.04.01

営業が値上げに失敗する3つの原因

こんにちは、北條です。

突然ですが、

・値上げ交渉がスルっと決まって利益がアップする会社と

・値上交渉が難航していつまでも利益が増えない会社。

この2つの違いは、どこにあると思いますか?
もちろん

・業界の事情
・商品の事情
・時代の事情

など、色々な原因があると思います。
でも、コンサルタントとして多くの会社さんを見てきて
単価交渉がうまくいく会社とそうでない会社の違い。
この違いはほとんどのケースにおいて
たった1つの根本的な考え方の「間違い」によって引き起こされているとわかりました。

その間違った考え方とは、「値上げ交渉を営業マン任せにしている」ことです。
実は、適性に値上げを行って利益を増やすためには
会社全体のプロジェクトとして、社員全員が連携して作り上げていく必要があります。
ここで営業マンのスキル頼みになっている会社はなかなかうまくいきません。

終いには、あいつは交渉が下手だ。と営業マンのせいになってしまうことも多々あります。
でも、、根本的に営業マンに任せっきりなことがこの悲劇を生んでいます。
なぜ営業マンに任せっきりだとうまくいかないのか。
今日はその3つの理由についてお伝えします。

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1. 営業マンは会社全体を見通す力が弱い
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中小企業の採用といえば、中途採用がほとんどのはずです。
基本的には、

・欠員が生じて
・その穴を埋めるために
・即戦力を採用する

これが中小の採用の仕方ですよね。
つまり、入ってくる営業マンは、営業の仕事にしか携わりません。
新卒採用なら、いろんな部署を回って、会社全体を見通す力が身につきますが、
営業マンは、営業分野しか知識がないことが多いのです。
つまり、交渉に必要な「製造のプロセス」や「原価、利益などの経営的な情報」を理解していないこともあり100%の力を発揮できていないケースが多いのです。

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2. 値上げは嫌がられるので、
モチベーションが上がらない
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商品を売れば、会社に評価されますよね。
さらに、
お客さんに商品を買ってもらって自社商品が評価されることは多くの営業マンにとってモチベーションを高める嬉しい結果なはずです。
でも、値上げはどうかというと、

・無理をお願いすることだから、お客さんには嫌がられる
・成功したとしても、社内でそこまで評価につながらない

こういったマイナスの交渉になります。
値上交渉が発生するタイミングでよくあるのは原価が上がるから、必要に応じて値上げするこのタイミングのはずです。
だから値上げに成功したとしても、利益がもとに戻っただけで営業マンの評価は上がりません。
だから、そもそも値上げ交渉はモチベーションが上がらないものということになります。
さらに、、
相手方は「断るプロ」です。
メーカーからしたら値上げをするのは2−3年に1度の珍しい行為ですが、相手方にとっては日常茶飯事です。
断られやすいことも、営業マンのモチベーションが上がらない原因になっています。

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3. 値上のベースになる「原価表」が正しくない
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前回もお伝えしましたが、値上交渉を頻繁に受けている百戦錬磨の相手と戦うためには理論武装が必要です。
でも実際は原価表が正しく作られていないことがほとんど。
個人的には以下の通りに製造部門・物流部門・営業部門の3つに分けて原価を洗い出す必要があると考えています。
↓   ↓   ↓
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
■製造部門:
・歩留まり、ロスがしっかり算出されているか?
・特注の個別対応の手間は考慮されているか?

■物流部門:
・送料負担、個別配送の手間賃、倉庫保管費用はしっかり考慮されているか?

物流関係だと、

・倉庫の特別保管 (クライアントから保管を求められるケース)
・センター配送ではないクライアント (個別配送で費用がかかる)

このようなケースで、クライアントごとに明らかにコストが異なるケースがあります。
そういったケースまで個別に考慮して、相手方に示す必要があります。

■営業部門:
・サンプル出荷負担
・商談の手間(商談が多い会社vs少ない会社)(オンラインで終わる会社vs訪問が必要な会社)
・直前の発注量変更の負担

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以上のように、
“原価”は一律ではありません。
しかも、製造コストしか反映されていないことが多いのですが、営業のコストだって馬鹿にできない金額になります。
今の時代は、これまでのように価格に一律で間接経費を含めればOKな時代ではありません。

・価格をお客さんごとに変えて負担が大きい会社は高くするとか。

・価格を上げなくても、交渉の際のカードとして会社ごとのコスト情報を営業マンが持っておくとか。

このような会社ごとにコスト状況を把握しておくことが大切です。
さらに個別でコストを算出するメリットは他にもあります。
見えないコストを管理できないと気がついたらお金が目減りする事態も起こりますし、
営業コストなどの間接経費が多くかかっている会社を切る選択もできるようになります。
(コストばかりなのに儲からない会社がみえてくるはずです)
今まで無視されてきたコストをきめ細やかに計算して価格に上乗せしてみてください。
上乗せしないにしても営業マンが把握できる状態にしてみてください。
このように、会社全体のプロジェクトとして値上を推進するようになれば、必ず値上げは成功するはずです。

ぜひ、トライしてみてくださいね。
本日もご覧いただきありがとうございました。
またメールしますね。

北條 竜太郎

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