こんにちは、北條です。
先日お届けしたブログで、
「冷凍食品 vs レトルト食品」
それぞれの特性やメリット・デメリットについてお話ししました。
特に「冷凍食品の開発は難しい」という点に、多くの読者の方から反響をいただきました。
中にはこんなご意見もありました:
「弊社では白ご飯の冷凍化に成功しました」
「白蝋化現象(解凍後のご飯がパサパサ・ポロポロになる現象)も出ていません」
確かに素晴らしい取り組みです。
ですが、ここで改めて共有しておきたいのが、
「ラボレベルで成功すること」と「市場で売れる商品にすること」はまったく別物
という点です。
冷凍食品の難しさは、「凍結技術」だけにあるわけではありません。
どれだけラボで素晴らしい状態の冷凍食品が作れたとしても、
実際にスーパーの流通に乗り、
消費者の冷凍庫で保存され、
電子レンジや湯せんで解凍されるまでの過程で——
味・食感・見た目は大きく変化することがあります。
一時的に室温に戻ったり、温度が上下するだけでも、
冷凍食品の品質には影響を与えるのです。
ご飯は非常に水分量が多い食品の一つです。
例えば冷凍おにぎりや白ご飯を商品化しようとすると、
水分が凍って結晶化しやすく、解凍時には
風味の損失
パサつき
粘りのなさ
といった状態になりやすいです。
冷凍食品のトップ企業である
味の素(AJINOMOTO)
ニッスイ
などを見ても、
「白ご飯単体の冷凍食品」はほとんど市場にありません。
あるのは、チャーハンのように油でコーティングされていたり、
水分をだしで置換したような、加工を施されたご飯のみ。
その理由はただ一つ——
品質を一定に保つのが極めて難しいからです。
では、ラボレベルの成功を「商品化」まで持っていくにはどうすればいいのか?
答えは、過酷な検証を繰り返すことです。
たとえば、開発現場では
凍結後に「インキュベーター」で温度変化を意図的に与える
解凍後に品質・味・見た目が保てるかを複数環境で試す
消費者の家庭環境を想定した「再現テスト」を繰り返す
といった取り組みを行い、どんな環境下でも品質を維持できるかを確認していきます。
白ご飯のような難しい素材でも、
理論的には冷凍化は可能です。
しかし、
消費者の手に届いた時の品質
温度変化の耐久性
解凍後の満足感
までをすべて満たして初めて商品として成立します。
ですから、開発段階ではぜひ一歩踏み込んで、
**「市場に出せる商品かどうか」**の視点で確認していくことをおすすめします。
弊社では冷凍食品の開発に関する技術支援や、
冷凍適性の判断、凍結試験、商品化支援なども行っております。
ご希望の方には個別説明会もご用意可能です。
もし冷凍食品の商品開発をご検討中であれば、
お気軽にお問い合わせください。
それでは、また次回のブログでお会いしましょう。
お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。