こんにちは、北條です。
御社では、間違った人材を採用してしまったことはありますか?
ご存じの通り、中小企業ほど間違った採用のダメージは大きいものです。
たとえば、従業員5人の会社に1人新しい社員を迎えた場合──
育成に半年かかるとすれば、
月給30万円 × 6ヶ月 = 約180万円
1人前に育てるまでに、これだけのコストがかかります。
つまり、人材育成には膨大なリソースが必要。
だからこそ中小企業にとって、「正しい人材を採用すること」は極めて重要なテーマです。
しかし、現実には採用の失敗は少なくありません。
書類選考はOK
適性検査もOK
面接もOK
──そんな人でも、入社後に会社に馴染まないことがあります。
私自身、これで何度も失敗を経験しました。
その経験から、弊社では「トライアル雇用」を導入。
今ではこれなしでは採用できないと感じるほどになっています。
トライアル雇用の重要性を実感したきっかけは、
「経歴や肩書きだけで判断する危うさ」に気づいたことです。
あるとき採用した方は──
前職が大手メーカー
高い役職に就いていた
一見、完璧な経歴でした。
しかし実際に働いてもらうと、
会社に馴染めない
職務スピードが異常に遅い
パソコンスキルが不足している
といった問題が次々と出てきました。
理由はいくつかあります。
大手と中小で求められる能力が違う
大手では分業が進み、同じ業務のルーティン化も多い。
一方、中小企業では「臨機応変さ」「対応力」「総合力」が求められます。
作業スピードの感覚が違う
大手出身者の中には、丁寧だが遅いタイプの人も多く、
少人数の現場ではそれが致命的になることがあります。
実際のスキルレベルがわかりづらい
「パソコンが得意」と言っても、前職ではフォーマットに入力するだけ──
というケースも珍しくありません。
面接では誰でも良い印象を作れます。
しかし、実際に1〜2日一緒に働くと、その人の“本当の適性”が見えてきます。
だからこそ、「トライアル雇用」は中小企業の採用において欠かせない仕組みだと感じています。
ここからは、実際にトライアル雇用を導入する際に意識すべきポイントを2つ紹介します。
トライアル雇用で最もやってはいけないのは、「研修」と履き違えることです。
研修なら、
ビジネスを丁寧に説明し、
作業を一つひとつ教えていく
という流れになりますが、トライアル雇用ではあえて**「粗い指示」**を出します。
なぜなら、丁寧に指示を出せば誰でも仕事はできるからです。
あえて抽象的な指示を出し、どんな行動を取るかを見ることで「対応力」「思考力」を判断します。
「会議の議事録を取ってください」とだけ伝えると、
自ら考えて質の高いものを出してくる人
わからない部分を質問し、的確に補足してくる人
──こうした違いがはっきり見えてきます。
トライアル雇用は“学ばせる場”ではなく、“見極める場”。
目的の違いを明確にして臨むことが大切です。
もう一つ大切なのは、必ず報酬を支払うことです。
弊社では、「最低賃金+交通費」をきちんとお支払いしています。
たとえ採用見送りになっても、素早く支払うようにしています。
理由はシンプルで、
「トライアル=タダ働き」と誤解されると、会社の評判に直結するからです。
特に「会社のレビューサイト」に悪評を書かれると、今後の採用活動に大きな影響を与えます。
「タダ働きさせられた」と書かれたら致命的です。
そのため、短期雇用契約を交わすのがベスト。
弊社ではGMOサインを使って電子契約を行っています。
トライアル雇用のおすすめ期間は2日間です。
1日では判断が難しくても、2日あれば人柄や性格がはっきり見えてきます。
私自身、お昼を一緒に食べながら雑談を交え、
仕事以外でのコミュニケーションも確認しています。
人間性や相性は、こうした自然な時間の中で最もよく見えるものです。
採用の失敗は中小企業にとって致命的な損失
経歴や印象だけでなく、実際に働く姿を見ることが大切
「研修ではなく見極め」「報酬はしっかり支払う」が基本ルール
2日間あれば、本当の職場適性が見えてくる
トライアル雇用を導入すれば、ミスマッチが減り、採用の精度が大幅に上がります。
ぜひ、貴社でも取り入れてみてください。
北條
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