2025.12.12

【補助金総括】「展示会に“全額補助”が出るなんて、正直ありえない」

こんにちは。
アカネサス代表の北條竜太郎です。


今週のテーマ:「春の補助金総括」

今年の食品製造業界で注目を集めた補助金は、この2本です。

  • 加工食品クラスター補助金

  • 産地連携緊急対策事業

今回はそのうち、
中でも制度的に「異例」と言える
加工食品クラスター補助金について、詳しく解説します。


“全額補助”という破格の条件

この補助金の最大の特徴は、
なんといっても「展示会出展やプロモーションに対して全額補助が出る」という点です。

普通の補助金では考えられないほど、使い勝手が良い制度になっています。

対象経費も幅広く、

  • ブース出展費

  • バイヤー招聘費用

  • 販促ツール制作費

  • サンプル輸送費

といった、「販促のあらゆる打ち手」がそのまま補助対象になります。

しかも補助率は最大3/4(プロモーション費は全額補助)
資金面でハードルを感じる中小企業にとって、
“リスクほぼゼロ”で販路開拓に挑める、非常に貴重なチャンスです。


6つのクラスターを組成──アカネサスの取り組み

私たちアカネサスでは、この補助金において
6件のクラスター(連携体)を組成し、申請を行いました。

中小企業単独では難しい輸出強化や販促活動も、
商社・バイヤー・自治体・加工会社などを巻き込み、
「実行可能な構想」としてパッケージ化することで申請を実現しました。

ここがこの補助金のキモです。

単体申請(1社のみ)は不可。
必ず“クラスター申請”でなければならない。

つまり、「自社だけで頑張ります」という申請では通りません。
連携構想を描けるかどうかが、採択の分かれ目です。


第二次公募に向けた動き

今回この記事でこの補助金を取り上げたのは、
第二次公募が6月頃に行われる可能性が高いからです。
(昨年のスケジュールをベースにした予測です。)

一次募集では、
「出したかったが間に合わなかった」
「連携先が見つからなかった」
という企業が多く見られました。

今から準備を始めれば、十分に間に合います。


「設備投資にも使える」は誤解されがち

この補助金、よく「設備投資にも使える」と言われます。
確かに制度上はそうなのですが、実際の採択案件の多くは展示会中心です。

つまり、展示会を核に据えたプロモーション型の案件が通りやすいということです。


採択される構想の特徴

例えば、次のような構成がよく見られます。

  • パリや香港などの海外見本市にクラスターで出展

  • 出展費用を補助金で全額カバー

  • 商社・卸・自治体などが関与し、輸出・販路開拓に展開

こうした構図を描けるかどうかが、採択のカギです。

制度上の“要件”ではなく、**事業としての中身(構想)**が問われます。


まとめと次回予告

加工食品クラスター補助金は、
「設備」よりも「販促・構想」の補助金です。

単体ではなく、複数社が連携する「クラスター型」で構想を描くこと。
これが採択の最大のポイントになります。

もし「出してみたいが、何から考えればいいかわからない」という方は、
早めにご相談ください。
まだ十分に間に合います。


次回は、
もう一つの注目補助金「産地連携緊急対策事業」を取り上げ、
設備投資を中心にした補助金の実態と活用のポイントをお話しします。

それではまた。

株式会社アカネサス
代表取締役
北條竜太郎

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