こんにちは北條 です。
今日も食品貿易に関する情報をお伝えしていきます。
今日は僕が経験したとあるエピソード。
特にこれから海外貿易を始める方には
必ず読んでほしい”失敗談”をお届けします。
あれは、僕が海外に進出したての頃、、、
当時、僕は家業である食品メーカー「茜丸」の事業拡大のために
海外に目を向けよう!
と思い立って、海外展開をすることを決意しました。
でも当時は海外の知識なんてもちろんありません。
そこで、もしかするとご存知かもしれませんが
「JETROさん」という
貿易に関する相談を受けてくれる団体に相談に行き話を聞きました。
担当者の方
「あ、海外との取引は初めてなんですね。
初心者であれば、まずは香港がオススメですよ。
香港からスタートがベストですね。」
北條
「あーー、なるほどそうなんですね。わかりました。」
(香港かー、ちょっと夢がないなあ、、やっぱり世界一の人口と広大な面積がある中国本土の方が夢があるでしょ
JETROさんは香港っていってたけどどうせ海外に行くなら中国の方がリターンがでかそう。
よし、中国行こう!)
思えば、これが悪夢の始まりでした…
その後、上海の展示会に参加したり商談のために頻繁に中国出張をしていました。
時期的にも上海ってとても暑くて
そして、あるきまわって商談してまわって疲労がたんまり溜まる。
そして中華料理はとても辛い。
アツい中、辛い料理をたくさん食べて歩き回る
そうすると毎回帰国後発熱するのです。
しかも、商談は不調、、、
思い返せば散々でした。
・・・そしてこの後さらなる悪夢が訪れます。。
ある時、中国の大連の展示会に出席した時のこと
ある現地の人と出会うことになり、とても意気投合しました。
とにかく彼は話が上手で説得力がすごくて頭がいい。
そして、めっちゃいい人。 (に見えた…)
ものすごい熱意を込めて
「ぜひ、一緒にビジネスをしたい!」
と言われました。
当時、あまり商談がうまくいっていなかったこともあり
めちゃめちゃ嬉しくて一つ返事でOKしました。
彼の提案は大連で彼がうち(茜丸)の商品を売るためのお店を開く。
簡単に言うとそんな提案でした。
それまで全然契約が取れなかったものですからそりゃ嬉しいですよね。
で、まずは、手続きを進めるためにプロモーション費用として
最初に200万ほどを彼に預けることになったのですが、、
もう結末はお察しの通り彼は思ったより交渉力がなく
うまくことを進められなかったのでしょう。
輸入通関での交渉や出店予定していたショッピングモールとの交渉で次々と暗礁に
乗り上げ時間ばかりいたずらにかかり、ついには僕も諦めたという次第です。
それ以降彼は僕に返金することもなくトンズラです。
完全に失意のどん底に落とされました。
今でも彼は誠実な人間(中国人としては)であったと思っています。
ですが能力以上に口がうまかったし口ほどには能力がなかった(笑)
同時に面子を大事にするプライドが高い人が多い国民性でもあります。
失敗したということで面目丸つぶれであったと思ったのでしょう。
もちろん騙されたあとで裁判を起こしても意味はありません。
そもそも現地の弁護士などこれまた信用ができない。
日本だと弁護士って誰に頼んでも同じなイメージありますが
中国は弁護士すら偽物とかあります。
(超家賃が高い高層ビルに事務所を構えている偽弁護士さえ実在します)
結局、200万は泣き寝入り。
1〜2年くらい売り上げは立たなかったし渡航費やらコンサル費やらで
売り上げはほとんど0でトータルの損失は500万円を超えました。
損失そのものも痛かったですが、これは二代目、三代目の方はよく分かると思うのですが
他の社員の視線が辛かったです。
僕は社内では常務と呼ばれているのですが通常の営業で稼いだ利益を
つぎ込んでの事ですから、常務はいったい何をしているんだ!
という声が社内であったことは想像に難くないことと思います。
でも、この話には、壮大なオチがありまして、、
その後、気分転換で香港で開催された無料の商談会に行くことにしました。
隣国で同じ中華圏ですから大して香港も変わらないだろうと思ってたのですが
なぜかかなり相手先の食いつきが良いだけでなくいい意味でビジネスライクというか
人間関係ではなく商品とメールだけで商談が前に進むという気楽さがありました。
そして、まさかの一発目で商談が決まりました。(今度は騙しなしです。)
学んだこととして、中国での商談は初心者にはかなりレベルが高い。
もちろん全員が悪人ではありません。
良い人もたくさんいます。
御社が中国に行ったとして、パートナーとして名のりを上げる人は
案外真面目で誠実な人が多いんじゃないかと思います。
しかし、ビジネスはあなたと、パートナーの二人で成立するわけではなくいくつものプロセスがあって、やっとモノが売れます。
一人でも嘘つきがいると、そこでビジネスはストップします。
中国は非常に規模が大きな市場であることは間違いないのですが嘘つき、偽物がとても多い市場です。
そして、本物とつきあうためには、選別するための時間やコスト(弁護士やコンサルタントなど)が日本以上にかかるということです。
ですから、御社が資本と組織力があるという前提であれば
私のように最初から中国に進出するという選択肢もあっていいんじゃないかと思います。
しかし、僕のように中小企業、零細企業であった場合は、成功確率が高い香港やシンガポールといった市場に挑戦することをおすすめします。
今回は僕の失敗談を語りましたが貿易は、取引する国によって難易度が本当に変わります。
僕が苦しんだ挙句に行き着いた香港は非常に親日でとても取引がしやすい国です。
そしてみなさんが思ってらっしゃるよりも市場規模が大きい。
最初はどの国を選ぶかによって運命が大きく変わります。
次回のメルマガではどうして香港が初心者におすすめなのか。
こちらについて、話そうと思います。
正直
「最初からJETROさんの助言を聞いておけばよかった…」
と思うほど香港は良いところが盛りだくさんです。
ぜひ、次回も見ていただけると嬉しいです。
北條 竜太郎
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