こんにちは、北條です。
最近よく相談を受けるのが
「いざ会社を引き継ごうとしたら 引き継げる人がいない..」
という問題です。
でも、お話を深く聞いていくと単純な人不足の問題かと思いきや、もっと大きな問題が見つかることがあります。
今日も会社を上手に引き継ぐために重要な内容をお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
「うちはまだ先だからいいや」とは思わずに、ぜひ今のうちから読んでいただきたいです。
なぜならば、
今40歳で若手経営者であったとしても、今70歳であったとしても
親族なのか、外部の資本であるかはケースバイケースですが、いずれ自らは経営者としては引退して誰かに引き継ぐタイミングというのは、
遠かれ早かれ必ず来るからです。
一般的に会社を引き継ぐ場合は2種類の方法があります。(厳密には従業員への承継などもありますが、ここでは省きます)
1つ目が、
「会社を他人に売却する」
会社を売ることによって親族には、資産という形で相続する事になります。
事業は、時代とともに変化しますのでこれも賢い生き残りの方法だと思っています。
そしてもう1つは、「親族継承をすること」大きく分けてこの2つになります。
食品メーカーの場合多くのケースで親族継承が一般的です。
でも親族継承であろうが、会社売却であろうが、いざ経営者として第一線を退くときを間近にして大きな壁にぶち当たるケースがあります。
それが、企業の価値が知らない間に著しく下がっていることです。
会社売却を考えた時に、蓋を開けてみたら企業価値が1円にしかならず、売るに売れないケースも多いです。
1円というとびっくりしてしまうのですが、売上が何十億もある会社の対価が1円であるというのはよくあることです。
なぜならば、毎年膨大な赤字を垂れ流している会社を引き継ぐということは
毎年垂れ流している赤字を負担することになる、よって1円でも高いといえるからです。
さらに、実は企業価値が著しく低いことが後継者が見つからない原因でもあるケースがほとんどです。
私も様々な食品メーカーにお伺いしていますが、
「儲かっている会社には息子が戻ってきている」ケースが多いように思います。
もし、なかなか後継に相応しい優秀な人が見つからないとか、
ご子息が家業を継ぎたがらずにいるならば、現状の企業価値が低い状態なのかもしれません。
ご子息が、優秀なビジネスマンで継がせたいと思う人物であったとしたら、
もし現在業績が悪い状態であれば、一発で御社の「企業価値の低さ」を見抜いてしまうでしょう。
手塩にかけて育てた会社がいざ売却するとなると一円。
継がせたいと思える人材がやってこない。
継ぎたいと思ってもらえる人が見つからない。
「どうしてこんなことに…」
と思うかもしれませんが、
これらの原因はすべて”企業価値”にあります。
企業価値が高ければ、高価で売却もできますし、良い人材も見つけることができます。
今日は知らず知らずのうちに企業価値が下がってしまっているケースをいくつか紹介したいと思います。
ご存知の通り、企業価値は一朝一夕に出来上がるものではありません。
ですので、いざあなたが何らかの理由で経営者を引退しようと思った時、
「育てた会社を大きな資産に変えたい!」
「親族に引き継ぐとき、少しでも価値を上げて引き渡したい!」
「そもそも後継問題で悩みたくない!」
そう思うならば、
“今から”企業価値を高める活動に投資する必要があります。
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企業価値を下げる3つのポイントとその対策
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対策1:お客さんの質を見直す
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僕自身、家業の食品メーカー「茜丸」で一度倒産を経験しています。
当時ローカルではある程度名が知れていた会社でしたが、企業価値といえば相当低かったでしょう。
茜丸がうまくいってなかった大きな理由の1つが大手への依存体質です。
大手の取引先の問題は何か?
それは、値上げをしにくい点です。
大手は大量生産を前提として、商品を仕入れます。ということは、向こう側も利益率が低いわけです。
それに向こうは選ぶ側の立場なので、パワーバランスの問題で価格アップ・利益アップが見込めません。
値上げ交渉をしたら切られてしまい、競合に変更されたようなケースもよくある話です。
もう一個の危険なパターンは逆に中小零細しか取引先がいないこと。
今度は儲かってないお客さん相手なので、こっちも利益が少ない…
利益が伸びないということは横ばいが続き、新たな事業拡大・新規投資ができないことを意味します。
さらに、社会情勢によって利益率が下がる状態が続いてますので、
時代を経て会社としての成長が徐々に落ち込んでしまいます。
まず、どちらかに偏ってるなら客層を変えていく必要があります。
2: 1番商品を作る
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次によくあるケースは、とにかくいろんな商品を売って、かき集めで売上を作っている状態の会社です。
こういった会社では「1番商品がない」ケースがほとんどですが、
ウリの商品がないということは機械化による大量生産ができないことを意味します。
生産性に限りが出て、利益が頭打ちになって、、、会社の成長が減退してしまいます。
うちもどら焼きが売上の4割を占めるくらいにしていますが、
1つ主力の商品を決めて、効率的に利益を伸ばしていく仕組みが必要です。
3:コンプライアンスを改善する
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最後はちょっと意外かもしれません。
ですがこれこそが企業価値を高めるために非常に重要な要素です。
例えば、売上担保のために大量生産を行い、賞味期限の偽装をしてしまったり産地の偽装などもよくある(?)問題です。
これに限らず、本当は良くないことがわかってるけど現状の売り上げを保つために見ないように目を背けている問題をよく聞きます。
でも、これは解決しなければいけない大きな問題です。
親族継承でも後世に迷惑がかかり、会社売却ならもっと問題になります..。
だましだまし進むのではなく、「なぜ売上・利益が上がらないのか?」根本の問題を解決しなければなりません。
あとは、従業員に対するコンプライアンスです。
残業代未払いの問題は、中小企業でしばしば問題になります。
決算書上は利益が出ていても、未払いがある時点で赤字のことも多いです。
そしてこの問題はかなり企業価値を低くします。
じゃあどうするべきか?
これも先ほどと同じで、そもそも残業しなくても利益が出るようにする残業が続いても、利益が出る仕組みを作る。
具体的には一番商品を育成して、機械化率を高めるとか、上代を上げて利益を上げるなどです。
そのために補助金なども有効になってきますね。
こういった対策が必要になります。
色々ありますが、顧客と客層、商品、コンプライアンス
この3つを改善することがゆくゆくの大きなリターンを生みます。
そしてその問題は多くのケースで、会社の構造そのものを改革して利益が増える仕組みを作る必要があるということです。
もし少しでも引っかかるところがあったならこの機会に対策を始めてみてください。
それでは、またメールします。
本日も最後までご覧いただきありがとうございました。
北條 竜太郎
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