こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
今回から3回にわたり、食品ECについてお届けします。
最近、食品メーカーの経営者の方々から「ECが伸び悩んでいる」という相談を受ける機会が非常に増えています。
「補助金で設備投資はできた」
「製造体制は整った」
「でも、売る力がない」
設備や製造体制が整っても、販売が伸びなければ投資は回収できません。
そこで今回は、私自身が信頼を寄せている株式会社ジャパンフードカンパニー代表取締役であり、食品EC特化型コンサルタントの南口龍哉氏をお招きし、対談形式でお届けします。
南口氏は、EC市場がまだ黎明期だった14年前から食品EC支援に携わり、10社以上の年商1億円突破を支援してきた実績を持つ専門家です。
現場を知り尽くした視点から、食品ECが陥りやすい落とし穴と、本当に投資すべきポイントについて伺いました。
最近、多くの地方食品メーカーの経営者の方とお話しする中で、「EC事業がどうにも伸び悩んでいる」という声を本当によく耳にします。
人口減少や原材料費の高騰を受けて、ECを事業の柱にしたいという意欲はあるものの、「何をどう改善すればいいのか分からない」という状況です。
その悩みは非常によく聞きます。
コロナ禍を経て実店舗への来客が戻る中、「なんとなくEC」を続けてしまい、結果として成長が止まっているケースは少なくありません。
そもそも食品EC市場は今も成長しているのでしょうか。
はい。市場は今も成長しています。
家計調査などを見ても、食品EC市場は前年比110%前後で成長を続けています。
「EC市場はもう伸びていない」というのは感覚的な印象であり、実際のデータを見ると成長市場であることが分かります。
まだ110%も伸びているのですね。
ここで重要なのは、市場全体が110%で成長しているということは、「前年比110%でようやく平均」ということです。
もし自社ECの成長率がそれを下回っているのであれば、市場成長に置いていかれていると考えるべきです。
だからこそ、「今が一番良いタイミング」と考え、構造改革に取り組む必要があります。
ECが伸び悩む企業にはどのような共通点がありますか。
一番多いのは、投資の打ちどころがズレているケースです。
例えばどのようなものでしょうか。
特に多いのが次の2つです。
戦略がないままInstagramやTikTokなどのSNS運用に時間をかけてしまうケースです。
ECサイトのデザインだけを綺麗に整え、肝心の商品設計や販売設計が後回しになっているケースです。
確かに、「自分たちが見せたいもの」を優先し、「お客様がなぜここで買うのか」という視点が抜けているケースはよく見かけます。
その通りです。
SNSもデザインも大切ですが、それだけでは売上は伸びません。
まずは「誰に、何を、なぜ買ってもらうのか」という土台を作ることが重要です。
うまくいっていない企業には、共通する構造的な問題があります。
特に上位5項目は、マーケティング以前の経営課題と言えます。
「経営者が本気で関わっていない」というのは確かによくあります。
「売上が上がったら専任担当を置こう」という考え方をされる企業も多いですが、実際は逆です。
事業化を目指すのであれば、最初から責任者を置き、正しい方向性で運営する必要があります。
相談の中でも特に多いのが、次の2つです。
ECはショップを作って終わりではありません。
集客のための投資を行って初めて動き始める「後投資型事業」です。
しかし、その理解がないまま運営されているケースが非常に多いです。
過去に広告を出したものの、「効果が悪かった」と判断して広告投資をやめてしまうケースです。
①は非常によく見ます。
実店舗なら自然な通行量がありますが、ECサイトは開設しただけでは誰も来ませんからね。
②についてはどうでしょうか。
もちろん、効果の悪い広告を続ける必要はありません。
ただ、多くの企業が評価軸を間違えています。
食品ECは一般的に、新規顧客獲得では利益が出ません。
新規顧客を獲得し、その後のリピート購入で利益を回収するモデルです。
それにもかかわらず、「広告費に対する初回売上」だけを見て、「広告は失敗だった」と判断してしまう企業が非常に多いのです。
なるほど。
実店舗はオープン前に大きな投資を行いますが、ECは開設コストが比較的低い分、オープン後の販促投資が必要になるということですね。
その通りです。
実際には継続すべき広告施策だったにもかかわらず、評価方法を誤ったためにやめてしまい、成長機会を失っている企業を何度も見てきました。
投資意欲はあったのに、判断基準を間違えたことで成果につながらなかった。
非常にもったいないケースです。
今回の対談では、食品ECが伸び悩む背景として、
といった構造的な課題についてお話しいただきました。
「ECが伸びない」のではなく、「伸びない構造になっている」ケースが少なくありません。
次回は、
「年商1億円を突破する3つのSTEP(前編)」
をテーマにお届けします。
南口氏が実際に10社以上を年商1億円突破へ導いてきた具体的な方法論を解説いただきます。
食品ECを本気で伸ばしたい方は、ぜひ次回もご覧ください。
── 北條竜太郎
お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。