2026.02.13

ASEANは“入りにくい市場”へー。ただし、今が最後の好機である理由

こんにちは。
アカネサス代表の北條竜太郎です。

前回の記事では、

「輸出で失敗する人は、“現地へ行っていない人”だ」
とお伝えしました。

現地を見ずに、価格・物流・構造を誤解したままでは
そもそも輸出の設計が成立しません。

では、構造を理解していれば勝てるのか?
今回はその問いに対して、
ASEAN市場の現状と今が「ラストチャンス」である理由
整理していきます。


日本ブランドの“初期特権”は、もう終わった

かつてのASEAN市場は、
「日本」というブランドそのものが
信頼と価値を持っていました。

  • 親日的な文化背景

  • 高品質・高価格でも納得される市場構造

  • 衛生管理が行き届いていること自体が信頼材料

いわば「日本製=良いもの」という
単純な構図で通用した時代がありました。

しかし今、その構造は完全に崩れています。


「比較される時代」への突入

現在のASEAN市場には、
台湾・韓国・ローカルブランドが次々と台頭し、
品質・デザイン・価格のすべてで
日本ブランドを脅かしています。

たとえば──

  • 🇲🇾 韓国メーカーの冷凍海苔巻き:RM9.9(約330円)

  • 🇹🇭 タイ地場メーカーの和風味カップラーメン:20バーツ前後(約85円)

これらは“和風”の演出をしながら、
日本製よりも価格・販路・スピードで勝っています。

日本ブランドは今や「比較対象のひとつ」に過ぎません。


厳格化する制度と、変化する評価軸

制度的にも、かつてのような“抜け道”は
ほとんどなくなりました。

  • 衛生証明

  • ハラル認証

  • 原材料規制

  • トレーサビリティ管理

これらが厳格化し、
「通ればOK」から「比較されて採用されるか」へ
評価基準が変わっています。

いま現地のバイヤーは、こう言います。

「品質が良いのは分かる。で、どう違うの?」
「冷凍庫の1段を“日本”に割く理由を説明してほしい。」

つまり、“説明できる構想”を持たなければ
棚に置かれない時代
になったということです。


それでも今がラストチャンスである3つの理由

こうした厳しい環境の中で、
なぜ今が“最後のチャンス”なのか。
理由は3つあります。


① 円安による構造的な価格競争力

為替水準の追い風により、
日本側の輸出価格は相対的に抑えやすくなっています。

価格のハンデが縮小している今こそ、
高品質を“届く価格”で提供できる時期
です。


② 中間層とハラル市場の拡大

マレーシア・インドネシア・ベトナムでは、
冷凍インフラが整い、
中間層とイスラム圏バイヤーの関心が
「高品質な即食・簡便食」に集中しています。

「時短 × 安心 × ハラル対応」
この三拍子を満たす商品への需要は
確実に拡大しています。


③ “日本疲れ”が本格化する前のタイミング

今のASEAN市場は、
日本ブランドが“飽きられる直前”にあります。

あと1〜2年で、
「日本からの提案はもう聞き飽きた」と
言われるフェーズに入る可能性があります。

だからこそ、今このタイミングで
構想力と設計力を見せられる企業だけが、
最後のポジションを取れる
のです。


ASEAN市場は「説明できる構想」で勝負する時代

いまのASEANは、
もはや“伸び盛りの市場”ではなく
「完成市場」へ向かう途中にあります。

  • 高度な説明

  • 緻密な設計

  • 明確な差別化戦略

この3つをそろえた企業しか、
長期的には生き残れません。

とはいえ、
まだ“最後の空席”は残っている。

構想を持ち、行動できる企業にとっては
この数年が勝負の分岐点です。


次回予告:現地を“歩く構想力”を更新する

次回は、実際に現地での観察を通じて構想を更新する
「香港FOODEXPO視察」および
「Food & Hospitality Malaysia視察ツアー」

についてご案内します。

現場で何を見て、
どんな構想を描くのか──
その具体ルートをお伝えします。

どうぞお楽しみに。


北條竜太郎
アカネサス株式会社 代表

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