2025.06.06

令和に成長する企業と衰退する企業

こんにちは、北條です。

ここ数回の記事では、M&Aをテーマにお届けしてきました。

でも中には、

  • 「うちにはまだ早いのでは?」

  • 「ハードルが高そうだから、また今度考えよう」

と思っている方も多いかもしれません。

ですが、もし今後20年以上事業を存続させたいと考えているなら、
M&Aの優先順位はもっと上げるべきだと僕は考えています。

今回はその理由について、お伝えします。


食品業界の市場シェア構造

今、加工食品を含む食品業界の市場規模は約30兆円と言われています。
業界には約45,000社が存在しており、単純計算では1社あたりの売上は6億円程度ということになります。

しかし実際には偏りが大きく、
上位40社だけで約17.8兆円のシェアを占めていると言われています。

残りの12兆円を約44,960社で分け合っている計算です。
つまり、1社あたりの実際の売上は約2億円。

TSR(東京商工リサーチ)の調査でも、年商の中央値は2億円と出ています。


小規模企業が不利になる時代へ

僕が感じているのは、今後は「規模が小さい会社ほど不利になる」という現実です。

特に顕著なのが、建設費用の問題。

最近は、工場の新設やリニューアルの相談を多く受けていますが、
多くの中小企業が建設費の高さに頭を抱えているのが実情です。

例えば、年商2億円の企業が生産力維持のために工場を新設しようとすると、
3〜4億円の建設費が必要になることも
あります。

これは決して誇張ではなく、僕が支援してきた中での実感値です。


建設コストが高騰する理由

  • 衛生基準の強化(入口と出口の分離、サニタリー対応など)

  • 昭和の工場では不要だった設備が必須になっている

  • 規模が小さいほど、非生産部分のコスト比率が上がる

  • 商品単価が低い企業ほど、建設費の回収が難しい

補助金を使ってもなお、建設費が売上を超えてしまうケースが多発しています。


だからこそM&Aで“体力”を手に入れるべき

年商10億円を超えると、ようやく売上と同程度の建設費で済むようになります。

つまり、今の時代においては、

  • 売上を維持するための投資すら難しい

  • 拡大しようにも、その原資が捻出できない

という状態に陥ってしまうのです。

そこで必要になるのが、M&Aによる規模の拡大です。


新規事業は“難しい”のが現実

コンサルである僕が言うのも何ですが、
食品業界はゼロから事業を立ち上げて育てるのが非常に難しい業界です。

「これをやれば当たる!」という明確な勝ちパターンが存在しません。

僕自身もさまざまな事業に挑戦してきましたが、成功と失敗が入り混じっています。

  • キッチンカー事業 → 全くダメ

  • 外食(カフェ) → 最初は好調、でも後に失速

  • 通販事業 → 今では柱に成長

  • コンサル事業 → 現在の軸

  • どら焼き広告 → 結局ボツに

つまり、2勝3敗。成功がなければ続いていませんでした。


M&Aなら、リスクを抑えて拡大できる

ゼロから構築するのではなく、すでに回っている事業を買収して育てる。
このほうが圧倒的にリスクが低く、効率的です。

では、どうやって自社に合ったM&A案件に出会うか?


M&Aで良い案件に出会うには?

今、食品業界のM&A市場は完全な“売り手市場”です。

  • 市場が成熟している

  • 新規投資を抑え、お金を貯めている会社が多い

  • 結果、買い手が多く、競争が激化

仲介会社や銀行は、“ストロングバイヤー(何度も買ってくれる人)”に好案件を優先的に紹介しています。

未経験の会社に対しては、なかなか良い案件が回ってこないのが現実です。


だからこそ、小さくてもいい。まずは1件やってみる

最初から「大当たり案件」を狙うのではなく、

小さくても、割高でもいいから
まずは1件M&Aに取り組んでみることが大事

経験しておくことで、今後の案件選定や交渉もスムーズになります。

僕自身も、M&Aはまだ未経験ですが、
これから挑戦したいと思っています。


M&Aを実現させるには「発信」がカギ

「案件が来ない」と嘆くのではなく、

  • 仲間に話す

  • 取引先に伝える

  • ホームページやブログで想いを発信する

こうした情報発信が、予想もしない形で人脈をつなげてくれることがあります。

僕自身も、設備・補助金の支援を通じて、将来的には工場設計やエンジニアリングの分野にも進出したいと考えています。


まとめ:成長戦略にM&Aを“当たり前”に

最後にお伝えしたいのは、

令和の時代に企業が生き残るには、M&Aを軸にした成長戦略が欠かせない

ということです。

ぜひ、M&Aという選択肢を今のうちから頭の片隅に置いておいてください。

本日もありがとうございました。

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