こんにちは、北條です。
今日は、経営における“落とし穴”とも言える、「儲かったときこそ危険」というテーマでお話しします。
一見、矛盾しているように思えるかもしれませんが、これは僕自身の経験から導き出した、とても大切な経営の真理です。
世の中の成功者たちは、儲かるビジネスに巡り会ったときこそ「これは危ない」と直感するといいます。
僕自身も、過去の経験を経て、この感覚がとてもよく分かるようになりました。
その根本にあるのは、
「会社経営とは、得た利益を持続可能な資産に変換するゲームである」
という考え方です。
2010年頃、たい焼きブームが起こりました。
僕の会社・茜丸はあんこメーカーなので、このブームにうまく乗ることができ、当時はかなり儲かりました。
しかし、その後どうなったかというと――
得た利益をすべて溶かしてしまったのです。
なぜなら、ブームに乗じて調子に乗り、謙虚さを失い、店舗拡大などに走ってしまったからです。
今思えば、それは“実力”ではなく“時流に乗っただけ”。
にもかかわらず、それを「自社の実力」と勘違いし、引き際を見誤ったのです。
人生やビジネスにおいて、実力とは関係ない“運”で成功する瞬間が何度かあります。
問題はその後。
その成功を「自分の力」と思って使い切ってしまうのか。
それとも、「これは一時の幸運」と理解し、資産化・分散投資などの手を打てるか。
ここで真の経営者としての力量が問われます。
仮想通貨で一発当ててキャバクラ通い
株で儲けたお金を豪遊で消費
遺産や親の財産を浪費する“道楽息子”
・・・など、「ラッキーで得た利益」を持続可能な資産に変えられない人は、結局、同じ結末を迎えます。
僕自身も、たい焼き市場での反省を活かし、2020年に起業したアカネサスでは考え方を大きく改めました。
「事業再構築補助金」の申請代行というビジネスにタイミングよく出会い、大きな成果を得られました。
でも、そこで僕が考えたのは、
「これは必ずブームが終わる」
ということ。
だからこそ、儲かったお金は一切無駄遣いせず、すべてを組織化と人材投資に注ぎ込みました。
結果的に、
自社に合う人材を見つけるまでに苦労し、
無給で働きながらも組織の土台をつくり、
今では、ブームが去っても安定した基盤を持つ会社へと成長できたと実感しています。
もしこの記事を読んでいるあなたが、
売上が好調
利益が上がっている
トレンドに乗って事業が伸びている
という状況であれば、まさに「今が最も危険な時」です。
「来年も再来年も、この状態は続くのか?」
「10年後も、今のビジネスモデルで戦えるのか?」
この問いに、冷静に答えてみてください。
「勝って兜の緒を締めよ」
これはまさに経営における成功法則だと僕は思っています。
利益を持続可能な資産に変えること
一時の好調を“自分の実力”と勘違いしないこと
今の組織・商品・人材が時代に適応しているかを見直すこと
このような視点で次の一手を打てるかどうかが、企業の未来を左右します。
成功している時こそ、謙虚に、冷静に、そして長期的な視点で経営を見直してみてください。
未来のピンチを、今のチャンスで回避する。
これが経営者に求められる「器」だと、僕は思います。
それでは、また。
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