こんにちは、北條です。
突然ですが――
実は、円形脱毛症に悩まされています。
かなりショックな出来事ではありましたが、
この出来事をきっかけに「働き方」や「組織運営」について深く考えるようになりました。
そこで今回は、経営において非常に重要なテーマ、
「権限委任(デリゲーション)」
について、自身の実体験を交えてお話ししたいと思います。
社長という立場にあると、つい何でも自分で抱え込んでしまうことがあります。
僕自身も例に漏れず、業務を一手に引き受けてしまい、気づけば体が悲鳴を上げていました。
仕事は順調でも、心と体は消耗していることに、後から気づくのが経営者という存在かもしれません。
脱毛症を機に、休養を兼ねて沖縄へ一人旅に出かけました。
宿泊したのは、リッツカールトンのような高級ホテル。ここは過去にも10回以上利用している、大好きなホテルの一つです。
ところが、予約にまつわるトラブルが発生。
夜11時、疲れていたせいか予約日を間違えてダブルブッキングしてしまったのです。
慌ててホテルへ連絡すると、深夜にも関わらず担当者はこう即答してくれました。
「それはお困りですよね。大丈夫です。
こちらからポータルサイトへ連絡して日程変更しておきます。」
さらに、
「ご予約金額を教えていただけますか?
ポイントで割引されていたとのことですが、同価格で変更いたします。」
と、上司に確認することなく即時で価格変更にも対応してくれたのです。
対応してくれたのは主任クラスの方。
いわゆる「中間層」のスタッフです。
この対応には驚かされました。
顧客の困りごとに即応できる
深夜にも関わらず判断を仰がず動ける
価格決定という「お金の権限」まで委任されている
これらを見て、**本物の「権限委任」**が組織に根づいていると感じました。
その結果、スタッフ全員が自信を持ってサービスを提供しており、
「全員がリーダーシップを発揮している」ようにも見えたのです。
ここで大事なのは、任せる勇気と仕組みの整備です。
このホテルでは、おそらく以下のような文化が浸透しているのだと思います:
「お客様に対して、どこまでサービスして良いか」の明確なガイドライン
「失敗しても責めない」心理的安全性のある社風
実際、リッツカールトンでもスタッフが自己判断で〇〇円までお客様にサービスできるルールがあるそうです。
このようにルールと信頼のバランスがとれた権限委任は、サービス品質を高めるだけでなく、
組織の健康にもつながります。
弊社でも、この経験をもとに「権限委任」を進めています。
社長が全てを決め、全てに関与し続けるスタイルは、組織の成長に限界をもたらします。
ましてや、それが自身の健康を害することに繋がるのなら、本末転倒です。
あなたの会社では、どこまで権限が委任できていますか?
部下が自分の裁量でお金の判断をできる環境ですか?
「失敗しても許す」文化はありますか?
脱毛症になってしまったことは正直ショックでしたが、
「自分がやらなきゃ病」から抜け出す大切さを改めて教えてもらいました。
もし、あなたの組織が「社長の手の中」に収まりすぎているなら、
今日から少しずつでも「任せる」方向に舵を切ってみてはいかがでしょうか。
それが、自分自身と会社の両方を救う第一歩になるかもしれません。
それでは、またブログでお会いしましょう。
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