こんにちは、北條です。
先日、ある食品メーカーの社長さんからこんなご質問をいただきました。
その方は和菓子メーカーの経営者で、業務用食品向けの設備投資を検討されていました。
そんな中で出てきたのがこの質問です。
「大手も同じ機械を使っているのですが、小さな会社が同じものを入れても勝ち目がないのでは?」
このように感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
確かに、業務用食品においては、大手企業と同じ機械を使い、
似たような商品を作ることになるケースが少なくありません。
そうなると、
低コスト&大量生産が可能な大手に勝てないのでは?
ゆくゆくは価格競争で負けるのでは?
といった不安が出てくるのも無理はありません。
実際、このようなご相談は非常に多いのですが、僕はいつもこうお伝えしています。
「決して負けるとは限りません」
実例をお話しすると、弊社・茜丸も「あんこ」業界では10位前後の中堅メーカーです。
売上は業界トップの1/10程度、使用している機械も同じようなもの。
だからこそ、
「同じような商品しかできず、差別化できないのでは?」
と感じる気持ちはよくわかります。
でも、それでも売れています。
なぜか?
茜丸では、大手が主に取引しているコンビニや大手メーカーではなく、
小規模なベーカリーを主要な取引先としています。
もし「商品価値=安さ」だけで決まるのであれば、
茜丸の商品は売れなくなり、大手しか生き残れないはずです。
でも、現実はそうではありません。
商品が選ばれる理由は、ビジネスの基本でもある「QCD」によって整理されます。
Q:Quality(品質)
C:Cost(コスト)
D:Delivery(納期)
この中で、茜丸がターゲットとする小規模ベーカリーでは、
「D:納期・柔軟な対応」が最も重視されています。
小ロットでの仕入れ
細やかな納期対応
地域密着型のサービス
これらを評価してくださっているからこそ、
「安さ」で勝負する必要はないのです。
結局のところ、小さな会社が大手に勝つためには、
「売る相手=ターゲットを変える」
という考え方が非常に有効です。
商品は似ていても
顧客ニーズが異なれば
自社の強みが活かせる
ということですね。
今回の話は業務用食品の例ですが、
もしどら焼きや大福などの大衆向け商品を手掛ける場合、
競合と差別化が難しいという課題はもっと大きくなります。
ヒントになるのが、「自社で機械を作ること」です。
競争力のある企業は、
実は独自の製造機械を持っていることが少なくありません。
トッポは発売から何年も経っているにも関わらず、
ほとんど類似商品が市場に出ていません。
一方で、チョコパイやどら焼きは類似品が多数存在します。
これは、トッポの製造に使われているのがロッテ独自の機械だからだと考えられます。
つまり、
「真似できない=競合が出てこない」=ブルーオーシャンを維持できる
という戦略が取れているわけです。
今回のポイントをまとめると以下の通りです。
ターゲットを変えれば、同じ機械でも戦える
QCDのどこに価値を置くかで差別化できる
特に「納期・対応力」は中小企業の武器になる
自社オリジナルの機械開発で、唯一無二の商品を生み出す
競合が真似できない製造プロセスをつくることで、市場を独占する
もし今、機械導入を検討されている方がいれば、
ぜひ今回の考え方を参考にしてみてください。
大手と同じ機械でも、工夫次第で十分勝てます。
そして、さらに大きく伸ばしたい方は機械の独自開発という選択肢も視野に入れてみてください。
それでは、本日もありがとうございました。
お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。