2026.02.09

問いから始まる“経営の境地”

こんにちは。
アカネサス代表の北條竜太郎です。

今回はシリーズ
『再設計する経営──“社長であること”の呪縛を超えて』
の最終話をお届けします。


「社長って、こんなもんでしょうか?」

ある経営者が、ふと漏らした言葉です。
私自身も何度もこの問いに立ち止まってきました。

社長という仕事は、正直に言ってきつい
誰にも相談できず、責任はすべて自分。
社員の生活を背負い、自分の時間を削り続ける。

自由があるようで、実はない。
それでも、やる意味はあるのか──。


「遊びを仕事で埋め、仕事を遊びで埋める」

この言葉をくれたのは、以前紹介した
「全社員が辞めた会社を立て直した」広告代理店の社長です。

構造を整え、業務を手放し、
「社長がいなければ回らない会社」をやめたあと、
彼は**“自分は何をすべきか”**という問いに向き合いました。

そして出した答えが、

「遊びを仕事で埋め、仕事を遊びで埋める」


社長の“仕事”が変わった瞬間

彼はいま、現場には出ていません。
数字も追いません。

かわりに、動きや違和感を観察し、週に数時間だけ対話に集中しているそうです。

「社長として働いていないように見えるかもしれません。
でも、今が一番意味のある時間だと感じています。」

構造を設計し直し、手放したあとに残ったのは、
語ることと、設計すること。


「遊び」は、経営者の鍛錬になる

私自身も似たような感覚で動いています。

6月はバンコクのTHAIFEX
8月は香港フードエキスポ
9月はFood & Hospitality Malaysiaへ。

仕事であり、同時に旅でもあります。

遊びながら仕事をし、
仕事を通して遊ぶ。

この往復運動の中でしか、
本当の「構想力」は磨かれないと感じています。


経営とは、「答えを出す」ことではなく「問いを持ち直す」こと

仕組みを作っても、人は辞めます。
トラブルも起きます。
それでも、「構造で向き合う」「問いを持ち続ける」ことだけはやめない。

経営とは、「答えを出す」ことではなく、
「問いを持ち直す」こと。

その問いを、重さではなく“距離”をもって見つめられるようになったとき、
本当の意味で「自分の経営」が始まるのだと思います。


苦しさの正体は、「設計されていない社長業」

「社長って、こんなに苦しく、報われないものなのか?」

そう感じるのは、
**「今のやり方で社長をやっているから」**かもしれません。

  • 自分を起点にしない設計にする

  • 決断を構造に委ねる

  • 信頼と育成で“代わり”をつくる

「社長=全部やる人」から
「社長=構造をつくる人」へ。

苦しいのは、仕事そのものではなく、
「社長という職能」が言語化されていないことにあります。


「仕事を回す」ではなく、「仕事の意味と構造を設計する」

企業が知的集約型・高付加価値化へと移行していく今、
「仕事を回す」だけでは会社は良くなりません。

ドラッカーの言葉を借りれば、
知識労働が中核となる時代には、
**「仕事を回す」のではなく、「仕事の意味と構造を設計する」**ことが求められます。

社長が“動かす人”から“設計する人”へと移るとき、
初めてリーダーシップは構造的な力に変わるのです。


私自身の実践とこれから

私自身、コンサルティング会社を経営しています。
意識しているのは、次の3点です。

  • 引き出しを増やすこと

  • 顧客対応を減らすこと

  • 文章を書くこと・人に会うこと

道のりはまだ途中です。
それでも、問いを持ち続けることだけはやめない。


まとめ:再起動の一歩は、「社長である自分」を構造ごと見直すこと

『再設計する経営』シリーズを通して、
私たちは「社長という役割に縛られていた経営者」が、
構造を整え、会社を手放し、
その先で“仕事と日常が重なる日々”を取り戻すまでを見てきました。

「こんなもんじゃ終われない」
そう感じている人がいるなら、
次にやるべきことはひとつです。

「社長である自分」を、構造ごと見直すこと。

それが、再起動の一歩です。


北條竜太郎
アカネサス株式会社 代表

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