こんにちは。
アカネサス代表の北條竜太郎です。
皆さまいかがお過ごしでしょうか。
連休のある日、
大阪・天王寺公園の芝生広場「てんしば」で
開催されていたクラフトビールイベントを訪れました。
初夏の陽気と、連休ならではの開放感。
思い思いの服装で集う人々の手には、
色とりどりのグラスと泡立つ一杯がありました。
1杯1,600円──。
缶ビールなら6本は買える価格です。
それでも会場には長い行列ができ、
人々は楽しげにその瞬間を共有していました。
ビールを片手に交わされる会話には、
軽やかな語り口と高揚感があり、
参加者の多くが“自分の一杯”を
誰かに伝えようとしていました。
もはやビールは単なる飲み物ではないのです。
それは、「今この場にいる自分」を表す、
いわば**“場の参加証”**のようなものでした。
クラフトビールの価値は、
味や量の比較では測れません。
限定性
選ぶ楽しさ
語れる体験
これらがすべて**パッケージ化された“記憶のプロダクト”**として
成立しています。
SNSに投稿したくなる見た目、
希少な銘柄の紹介文、
そして“選ぶプロセス”そのものが、
消費体験の一部になっているのです。
価格の妥当性は、
「割に合うか」ではなく
「意味があるかどうか」で判断される時代になりました。
1,600円という価格は高いかどうかではなく、
“この体験が、自分の中に残るかどうか”
が問われているのです。
このような体験型・共感型の消費は、
今後さらに広がっていくと感じています。
大切なのは、
単に商品やサービスに“価値”を込めることではなく、
“語れる体験”を設計すること。
クラフトビールイベントは、
それを自然に実現している場でした。
補助金事業、観光、教育──
どの分野にも共通するのは、
「何を提供するか」よりも、
**「その人がどう参加し、どう語れるか」**が
価値の核になるということです。
1杯のビールは、
場の中で「その人らしさ」を表現するメディアになります。
そして、今求められているのは、
“語れる”ものを用意するという視点です。
クラフトビールの会場で感じたのは、
「体験を売る」という言葉の先にある、
**“語りたくなる体験を設計する”**という考え方でした。
あなたの事業にも、
その“語れる体験”の余白があるかもしれません。
それではまた。
株式会社アカネサス
北條竜太郎
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