2025.12.17

1杯1,600円 “場の参加証” としてのビール

こんにちは。
アカネサス代表の北條竜太郎です。


新緑の季節に感じた“場の熱気”

皆さまいかがお過ごしでしょうか。

連休のある日、
大阪・天王寺公園の芝生広場「てんしば」で
開催されていたクラフトビールイベントを訪れました。

初夏の陽気と、連休ならではの開放感。
思い思いの服装で集う人々の手には、
色とりどりのグラスと泡立つ一杯がありました。


一杯1,600円。それでも人が並ぶ理由

1杯1,600円──。
缶ビールなら6本は買える価格です。

それでも会場には長い行列ができ、
人々は楽しげにその瞬間を共有していました。

ビールを片手に交わされる会話には、
軽やかな語り口と高揚感があり、
参加者の多くが“自分の一杯”を
誰かに伝えようとしていました。

もはやビールは単なる飲み物ではないのです。

それは、「今この場にいる自分」を表す、
いわば**“場の参加証”**のようなものでした。


クラフトビールは「記憶のプロダクト」

クラフトビールの価値は、
味や量の比較では測れません。

  • 限定性

  • 選ぶ楽しさ

  • 語れる体験

これらがすべて**パッケージ化された“記憶のプロダクト”**として
成立しています。

SNSに投稿したくなる見た目、
希少な銘柄の紹介文、
そして“選ぶプロセス”そのものが、
消費体験の一部になっているのです。


「割に合う」から「意味がある」へ

価格の妥当性は、
「割に合うか」ではなく
「意味があるかどうか」で判断される時代になりました。

1,600円という価格は高いかどうかではなく、
“この体験が、自分の中に残るかどうか”
が問われているのです。


これからの消費は「語れる体験」が中心になる

このような体験型・共感型の消費は、
今後さらに広がっていくと感じています。

大切なのは、
単に商品やサービスに“価値”を込めることではなく、
“語れる体験”を設計すること。

クラフトビールイベントは、
それを自然に実現している場でした。


あらゆる分野に通じる「参加と語り」の構造

補助金事業、観光、教育──
どの分野にも共通するのは、
「何を提供するか」よりも、
**「その人がどう参加し、どう語れるか」**が
価値の核になるということです。

1杯のビールは、
場の中で「その人らしさ」を表現するメディアになります。

そして、今求められているのは、
“語れる”ものを用意するという視点です。


クラフトビールの会場で感じたのは、
「体験を売る」という言葉の先にある、
**“語りたくなる体験を設計する”**という考え方でした。

あなたの事業にも、
その“語れる体験”の余白があるかもしれません。

それではまた。
株式会社アカネサス
北條竜太郎

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