2025.07.02

農水省補助金が向いている人、向いてない人

こんにちは、北條です。

先日のブログでは、
食品メーカーが活用できる2種類の補助金についてお伝えしました。


経産省補助金の今

「事業再構築補助金」「ものづくり補助金」「大規模成長投資補助金」などに代表される経済産業省の補助金は、
ここ最近で非常に扱いづらくなってきたというのが実情です。


経産省補助金の主なデメリット

  • 採択率が大幅に低下
     → ものづくり補助金で約35%程度。計画書が良くても通らないケースが多発。

  • 賃上げの要件が追加
     → 採択には「賃上げ」が必須になっており、特に人手の多い食品メーカーには厳しい。

  • 応募社数の増加
     → 全業種が対象のため、競争が激化。


そこで注目したい「農林水産省の補助金」

これらの状況をふまえ、今後検討していただきたいのが農林水産省の補助金です。


農林水産省補助金のメリット

  • 「賃上げ」の要件がない

  • 採択率が非常に高い(弊社支援先では現在100%採択)

  • 補助額が大きい(1億円〜上限なしのケースも)

  • 「新商品開発なし」でもOK(既存商品の増産目的で申請可能)


とはいえ、デメリットもあります

もちろん良いことばかりではありません。
農水省の補助金にはデメリットや制約も存在します。


デメリット①:準備期間が長い

経産省の補助金は、年に何度も公募があります。
そのため、数ヶ月〜半年で事業をスタートできるケースもあります。

しかし、農水省の補助金は基本的に年1回程度の公募。
3ヶ月後に設備投資をしたい、半年後に工場を建てたい…という方には不向きです。


デメリット②:特殊な条件がある

農水省の補助金には、行政側の目的に応じた条件があるため、
どんな投資でも自由に補助されるわけではありません。


例:HACCPハード事業補助金

  • 補助上限:5億円

  • 補助率:1/2

  • 用途:工場、加工場、設備投資

  • 要件:HACCP認証取得が前提

HACCPに直接関係のない工場内の会議室や外構工事などは補助対象外です。


では、どの補助金を選べばよいのか?

現在、弊社で最もおすすめしているのが以下の2つの農水補助金です。


① 農山漁村振興交付金

  • 補助上限:1億円(HACCP規格取得時は2億円)

  • 補助率:1/2

  • 用途:倉庫、直売所、工場、設備投資など

  • 要件:生産者との協議会設置が必要


② 農産物等輸出拡大施設整備事業

  • 補助上限:制限なし

  • 補助率:1/2

  • 用途:倉庫、工場、加工場、設備投資

この補助金は「農産物等」とあるように、生産者(=一次生産者)を明確にすれば、食品メーカーでも活用可能です。


向いていないケースもある

ただし、原材料に砂糖や輸入小麦などを使用している場合、
一次生産者を特定することが難しくなるため、
これらの補助金の対象外となる可能性があります。

その場合は、別の補助金を検討する必要があります。


弊社でのご紹介フロー

ご相談いただいた企業様には、以下のようなフローで補助金をご案内しています。

ステップ1

原材料の一次生産者が特定できるか?

  • YES → ステップ2へ

  • NO → HACCP補助金 or 経産省補助金を検討

ステップ2

輸出事業計画の立案が可能か?

  • YES → 「農産物等輸出拡大施設整備事業」

  • NO → 「農山漁村振興交付金」


まとめ

これまで2回にわたり、

  • 経産省と農水省の補助金の違い

  • それぞれの向き・不向き

  • 活用フロー

についてお伝えしてきました。

御社に合った補助金を見つけ、うまく活用して設備投資や事業拡大に活かしていただければと思います。

「活用できそうかも?」と思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。

本日もありがとうございました。

お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。