2026.02.11

輸出で失敗する人は、“行ってない人”〜現地構造を知らずに勝負はできない

こんにちは。
アカネサス代表の北條竜太郎です。

今回は、シリーズテーマ
「海外輸出を成功させるための思考」
について3回に分けてお届けします。


なぜ「構想を持つ人間こそ旅に出るべき」なのか

経営者として、また構想を生み出す立場として
私が常に意識していることがあります。

それが、

「構想を持つ人間こそ旅に出るべきだ」
という考え方です。

もしあなたが「輸出事業を成功させたい」と思うなら、
**旅という“入力”**を避けて通ることはできません。


現場でしか得られない“構想の素材”

机上で資料を読んで得られる知識と、
現地で写真を撮り、スタッフから説明を受ける体験。

この2つは、まったく異なる学びです。

たとえば私は、
香港・シンガポール・バンコク・クアラルンプールなど
東南アジア各地で数十回にわたり
食品輸出の支援や市場視察に携わってきました。

その中で確信したのは、

「行っていない人は、ほぼ確実にズレる」
という現実です。

そして厄介なのは、
そのズレに自分で気づけないことです。


現地を見なかったことで起きた“ズレ”の例

ある日本の食品メーカーは、
「常温で扱える小規模商品」で勝負しようとしました。

ところが実際に出してみると、
現地では冷凍一括管理でなければ取引できないという事実が判明。

結局、設計も物流もすべてやり直しに。

現地を見ていれば、
そもそも「常温で出す」という発想自体が
立たなかったはずです。


海外輸出でよく起きる3つのズレ

① 価格感覚のズレ

日本側は「高くて売れないのでは」と思い込みがちです。
しかし、たとえば香港のWellcomeでは
日本産サーモン寿司セット(8貫入り)が38HKD=約760円。

一方で、別のスーパーでは
日本製の枕干しサーモンが“高すぎてスルー”される。

この差は品質の問題ではなく、
**「どのシーンで、誰がどう使うか」**という現場文脈の差です。

たとえばマレーシアのVillage Grocerでは、
冷凍鍋セット(味噌スープ+野菜+団子)がRM18.9(約600円)。
ここでは「簡便・安心・ハラル基準」が選ばれる軸。
「高付加価値=日本らしさ」で勝負すると外す典型例です。


② 物流インフラの理解不足

「常温で出したい」「レトルトで出したい」と
日本企業はよく言います。

しかし現地のスーパーでは、
最も目立つ売り場(スタメ)は冷凍コーナー。

冷蔵ですら運用できる店舗は限られ、
冷凍が“オプション”ではなく“前提”になっています。


③ バイヤー構造を知らない

輸出を進めると、バイヤーから
「このカテゴリはもう埋まっています」
という一言で終わるケースも珍しくありません。

カテゴリに1社しか枠がないなら、
そこに入るということは“誰かが落ちる”ということ。

この現場の競合密度を身体で理解しているかどうかが、
採用される商品の設計に直結します。


現場を知らない構想は、ズレる

このように、構造を知らずに
「価格」「見た目」「ブランドイメージ」だけで判断しても、
現地ではまず埋もれます。

一方で、現場を見た人は
“構想のフレーム”が半年で更新される。

半年後、
現場を見た人と見ていない人では、
出せる提案の解像度がまったく違うのです。


まとめ:輸出を成功させたいなら、まず旅に出よう

海外輸出の第一歩は、
情報収集ではなく現場での観察です。

旅は、構想を支える“入力”。
構想の精度は、旅の質で決まります。


次回は、
私がこれまで見てきた海外市場の実例をもとに、

「なぜ今、ASEAN市場がラストチャンスなのか」

を解説します。

どうぞお楽しみに。


北條竜太郎
アカネサス株式会社 代表

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