2023.09.17

卵の値上がりから学べること

こんにちは北條です。

少し前から、鳥インフルの流行で、卵の供給不足・高騰が話題になっていますね。
卵の高騰自体は1年以上前から騒がれていたことですが、今回の一件でいよいよ危機的になってきたと感じています。

うちの茜丸もどら焼きを作ってますのでもちろん影響を受けています。。

あくまで私見ですが、今回の卵の供給不足・値上がりはかなり長引く気がしています。
なぜなら、、日本の養鶏業界には、卵を増産できない理由があるからです。

振り返るとまず最初に卵の価格が上がったのが2022年の3月。

当時、鶏卵業の最大手だったイセ食品がまさかの倒産..

それにより、一気に卵の流通が減少し、値上げが始まりました。

大手がいなくなったなら他の企業が増産すれば良い。
と考えられますが、実は日本の養鶏業界には、そんな余裕がない状態のようです。

その理由は、卵を作っている日本の会社は、長年ギリギリの状態を続けてきた会社が多く生産を増産する投資ができない状態になっているようです。

なぜ、ギリギリなのか?
つい最近まで卵は、「物価の優等生」と呼ばれてきました。
この単語が意味するところは、物価変動が起こらず、時代が変わっても安い価格が維持されているもの。ということです。

豆腐やもやし、納豆に並んで、低価格の状態が続いており、大きな利益が取れない。

だから、なんとかギリギリ黒字を継続してきた業界なのです。

そんな時に、大手の倒産が起きたとしても多くの鶏卵業の会社は、新たに設備増設をする資金力がありません。

つまり、増産したくても増産できない会社がほとんどのようなのです。
そして、ここに来て今回の鳥インフルの一件です。

既存の鶏卵業者もかなりの損害を被ってしまったと思います。
今後卵を作っている会社が、この打撃をなんとか生き残れるかが不安でしょうがありません..

もし、損害が大きく倒産が増えてしまったら、さらに卵の流通が減るでしょう…

そしてこのようなお話は、他人事ではないと強く思います。
鶏卵業界に起こっていることが、我々食品メーカーの業界でも起きる可能性があると強く感じました。
我々食品メーカーは、いろんな材料を買ってきたり、資材を調達する上で成立する。だから、業界全体の動きを受ける。
つまり、今は上代が一定の中で、安定して利益はでているけど、

今回の1件のようになにかの拍子で材料費が高騰した場合、一気に利益が取れなくなる食品メーカーもある..ということです。

例えば、20年〜30年くらい同じ商品を売っているような会社さんだと、ちょっとのバランス変化が、利益の激減に繋がることを実感しています。

そうなる前に、材料費が変動したとしても利益が担保されるような利益率の高い商品ラインナップの用意などの工夫を用意しておいたほうが良いように感じました。

そのために、商品の価値をあげて、粗利を高くしていく状態を作っていくこと。
つまり、値段が高くても買ってもらえる商品を作ることが、解決策になるかもしれません。
今回の1件を他人事と考えるのではなく、「万が一の対策」まで視野に入れてみると、将来も生き残ることができると感じています。

あくまで私見ですが、何かの参考になると幸いです。

それでは本日もご覧いただき、ありがとうございました。

北條 竜太郎

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