こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
前回は、冷凍サバを例に
「価格が高くても買える企業」
「構想がない企業」
の違いについて整理しました。
今回はさらに一歩踏み込み、
見積もりが返ってこない
断られる
無視される
その“沈黙”の本質について解説します。
これは単に、
「ロットが小さいから」
「単発だから」
という問題ではありません。
本質は、
“言語の欠如”=設計ができていない状態で発注していること
にあります。
商社・加工業者・仲介業者の立場で考えてみてください。
返しづらい問い合わせには、共通した特徴があります。
g数・トリム・骨・皮・加熱有無など、仕様が曖昧
ロット、配送頻度、リードタイムが不明
用途や販売先が不明確(催事?OEM?ネット?)
この状態では、
返答しても成立しないリスクが高い。
結果として、
“無視”という選択が合理的になるのです。
見積もりが来ないのは、
価格の問題ではなく、構造の欠落です。
価格交渉以前に、
「何を、どう欲しいのか」
が伝わっていないケースがほとんどです。
パック単位か、バルクか
冷凍/チルドの温度帯
規格変更の可否(代替許容幅)
年間フォーキャストの有無
特に冷凍魚・野菜・畜肉は、
商社側も“割当を組むための社内交渉”が必要です。
そのためには、
「回答すれば成立する確率の高い依頼」
でなければなりません。
構想力のある企業は、調達依頼時に以下を明確に提示できます。
グラム
処理状態
加熱有無
サイズ指定
月間ロット
年間想定数量
ケース単位
袋単位
最低発注単位
催事向け
業務用
OEM
EC販売
試作のみか
採用予定か
シリーズ展開か
これらが整っていなければ、
「聞かれても、答える価値がない」
と判断されてしまいます。
調達担当者は、単なる「買う人」ではありません。
構想の翻訳者であるべきです。
商品開発の意図を、規格と物量に変換する
加工・流通できる仕様へ落とし込む
商社・加工場にとって成立確率の高い依頼文を作る
ここまで設計できれば、
たとえ小ロットでも、
見積もりは返ってきます。
調達の交渉力とは、
「価格を下げる力」ではありません。
**「相手が答えやすくなる依頼をつくる力」**です。
見積もりが返ってこないのは、ロットのせいではない。
それは、
あなたの構想が“翻訳されていない”からです。
次回(第3回)は、
原材料費高騰を前提とした
「価格転嫁と販路設計」
について掘り下げていきます。
── 北條竜太郎
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