2026.03.02

原材料調達は“設計が必要な時代”へ──冷凍サバに見る、中小食品メーカーの生存戦略

以下に、メールマガジン文面を「ブログ掲載用」に体裁を整えました(内容の大きな編集はせず、冒頭導入・区切り・見出しをブログ向けに調整しています)。


こんにちは、アカネサス代表の北條です。

この半年、冷凍サバをめぐって

  • 「高くて買えない」

  • 「商社に断られた」

  • 「在庫がない」

といった相談が急増しています。

これは一部の特殊な企業だけの話ではありません。
むしろ、いま原材料の世界では “調達構造の根本的な変化” が起きています。

そしてこれは、サバだけでなく、冷凍野菜・畜肉・国産農産物など、あらゆる主原料に共通する構造的な問題でもあります。

本記事から全3回にわたり、「原材料調達の構想」をテーマに、中小食品メーカーがこれからの10年を生き抜くために必要な視点を整理していきます。


価格が高くても“買える企業”とは

多くの企業が「高くて買えない」と言います。
しかし本当に重要なのは、

「高いから買わない」のではなく、
「高くても買う」という判断構造を持っているかどうか

です。

ここは感情論ではなく、設計の差です。

具体例:高くても確保できる“意味”がある販路

  • 地域PB商品
    → 採算度外視でも継続供給する意義がある

  • 百貨店催事
    → “供給の信頼性”が最優先される販路

こうした販路と接続している企業ほど、原料に対して「高い・安い」ではなく、**「確保する意味」**で判断できます。

逆に言えば、構想がない企業ほど、原料の市場から “追い出される”構造 にあります。

(※図解:価格と設計の対応/はここに挿入)


なぜ今、冷凍サバが買えないのか?

かつては、

  • 「余っていれば回してもらえる」

  • 「高くてもスポットで買えば済む」

という状況でした。

しかし、いまは違います。
価格が合っていても商社から断られる。こうしたケースが増えています。

(※図解:冷凍サバ調達の構造変化/はここに挿入)

いまの商社・輸入元は、
「安定的に回る設計を持っている企業」にのみ割当を行う構造 にシフトしています。

  • 年間計画がない

  • 継続意志が見えない

  • 出荷量がブレる

こうした企業は、調達テーブルにすら乗らない状況に置かれています。


「調達から逆算した設計」が生存を左右する

冷凍サバをはじめ、主原料を確保できる企業には共通して 「調達起点の戦略設計」 が存在します。

それは単に「原価を抑える」ことではなく、
「価格が高騰しても成立する構造」を、あらかじめ設計しているかどうか という問題です。

具体的には、次のような設計が挙げられます。

  • 高単価販路(ふるさと納税、百貨店催事、業務卸)との接続

  • 原材料費を“戦略的コスト”と見立て、補助金と連動

  • JA・JF・漁協・自治体と共同で、原料から販路まで設計

いま求められているのは、「安く仕入れる技術」よりも、
高い状態でも回る設計=生存戦略としての調達構想 です。


まとめ:「高いからやめる」ではなく、「設計を変えてでも確保する」

次回以降でより具体的に展開していきますが、まず第1回ではこの問いを置きたいと思います。

価格が高騰したときに、
「やめる」のか、
「設計を変えてでも確保する」のか。

あなたの判断は、どちらの構造に属しているでしょうか?

次回(第2回)では、
「なぜ見積もりが返ってこないのか?」
──調達現場における 言語と設計の欠如 について掘り下げていきます。

── 北條竜太郎

お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。