2025.10.17

『地方の苦しいメーカー』が生き残る新戦略

こんにちは、北條です。

先日、ある地方の食品メーカーさんを訪問してきました。

最近、こうした地方の製造小売メーカーさんからのご相談が増えており、
特にパン屋さん、和洋菓子屋さん、豆腐屋さんなどが非常に厳しい状況に置かれています。


なぜ、パン屋はまだ良くて、豆腐屋や和洋菓子屋が苦しいのか?

パンは「毎日食べるもの」なので、来客数をそれなりに確保できます。

一方で、

  • 和洋菓子

  • 豆腐(昔は毎日食べられていたが、今は頻度が減少)

のような“日常的でない商品”を扱っているお店は、顧客の足が遠のいているのが現実です。


御社もこんな状況に当てはまりませんか?

地方で苦しんでいる和洋菓子屋さんの多くに、次のような共通点があります:

1)地方に本社がある
2)和洋菓子の併売をしている
3)多種少量生産
4)売れ筋商品の占有率が10%程度
5)5~10店舗で売上10億円以内
6)2代目以降の経営
7)設備が老朽化しており更新が必要
8)専門誌を購読し、有名な専門コンサルから継続指導を受けている

これらに当てはまる企業ほど、苦しい状況にあることが多いと感じています。


多くの地方メーカーが繰り返す「間違った対策」

地方のメーカーが売上低下に直面すると、以下のような流れで対策を講じることが多いです。

1)来店頻度が減る

2)新商品開発や新規店舗の展開を行う

3)売上は多少戻るが、利益率が悪化する

集客のために商品を増やしたり、洋菓子を併売したりする「総合化戦略」に走るのですが、
これは生産効率の低下・品質の安定性の低下・コスト増加につながることが多く、
根本的な解決にはなっていません。


「売上を改善する2つの戦略」と、その限界

では、売上を改善するにはどうすれば良いのでしょうか?

大きく分けて2つの戦略があります。

1. 単品大量生産で全国展開を狙う

一つは、

「単品大量生産」に切り替え、大手量販に向けて製造を強化する戦略

つまり、商圏を全国に拡大する方法です。

しかし、これは設備投資や資金力のある企業が有利となるため、
地方の中小メーカーにはなかなか難しいという現実があります。

さらに、差別化しようと努力しても、他の企業も同様の努力をしているため、
競争が激化してしまいます。


「六次産業化」という新しい可能性

そこで今回ご提案したいのが、全く新しい戦略、

六次産業化(ろくじさんぎょうか)

です。


六次産業化とは?

ご存知の方もいらっしゃると思いますが、

  • 一次産業:生産

  • 二次産業:加工

  • 三次産業:販売・流通

この3つを一社で担うモデルを六次産業化と呼びます。

「うちには無理だよ」と思われるかもしれませんが、
実際にこのモデルへ移行している企業が着実に増えているのです。


なぜ六次産業化が有利なのか?

たとえば、

  • 生産から自社で行うことで、原価が抑えられる

  • 他社には手に入らない独自の原料で差別化できる

結果として、他の冷凍・加工食品とは一線を画す商品力とコスト優位性を持つことが可能になります。


実際に進めている事例も増えています

最近では、「お芋」を原料とするメーカーが六次産業化を進めている例も増えています。

一般的には農家が加工・販売まで手を広げるのが六次産業のイメージですが、
農業サイドの課題は販路を持っていないことです。

一方で、食品メーカーは既に販路を持っているため、
この六次産業の形が非常に強力になるわけです。


まとめ:生き残る地方メーカーが持つ3つの柱

六次産業化によって、地方メーカーが得られるメリットは次の3つ:

  1. 商品力の向上

  2. コストダウン

  3. 付加価値の創出

これからの時代、これらの柱を持った企業こそが生き残っていくのではないでしょうか。


最後に

もし、今の事業に限界や閉塞感を感じていらっしゃるのであれば、
ぜひこの「六次産業化」という選択肢を検討してみてください。

挑戦してみることで、新しい未来が開けるかもしれません。

本日もお読みいただきありがとうございました。

お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。