こんにちは、北條です。
今回は、令和の厳しい経済状況下で食品メーカーがどのように事業継続のための生産体制を築いていくべきか――
その一つの「賢い選択肢」となる生産モデルについてご紹介したいと思います。
以前の記事でもお伝えしましたが、現在、建築費の高騰により、工場の建て替えが思うように進まないケースが増えています。
多くの食品メーカーでは、高度経済成長期(1955〜1973年)に建てた工場を、今なお使い続けているのが実情です。
しかし、稼働からすでに50年近くが経過し、建物や設備の老朽化は避けられません。耐用年数も超えてしまっているため、将来的な事業継続を見据えれば、いずれ必ず建て替えが必要になります。
こうした状況下で、最近は工場建設に関するご相談を多くいただくようになりました。
特に、金銭的に余裕がない企業にとっては、コストを抑えながらも事業を維持・発展させるための方法を模索しているところです。
そこで、今回は一つの有効な選択肢として、以下のモデルをご紹介します。
いま、多くのメーカーが戦略的に活用しているのが「OEM(他社による製造委託)」です。
実際、私たち茜丸にもOEMに関するご相談をいただくことがありますし、私たち自身も常に良いOEM先を探しています。
OEM化は、生産効率を高めるために非常に有効な手段です。
工場においては、複数の商品を製造するよりも、単一商品を集中して作るほうが圧倒的に生産効率が高まります。
そのため、工場を新しく建てる場合は、自社の主力商品に特化した工場とし、サブ商品についてはOEMに切り替えるという戦略が注目されています。
このモデルの利点は多岐に渡ります。
人手不足への対応
人件費・設備費の高騰対策
生産性の向上(単位時間あたりの生産量増加)
工場建設費の節約
たとえば、10種類の食品を製造していた工場が、よく売れる5種類のメイン商品に絞った設計に変更すれば、それだけ建て替え費用を抑えられます。
これからの時代に有効となるのが、「自社生産 × OEM」のハイブリッド型生産モデルです。
ただし、このモデルにはいくつかの注意点もあります。
OEMには外部依存のリスクがつきものです。
OEMの価格上昇
委託先が見つからないという課題
製品の味や仕様の改良が難しい
自社工場であれば柔軟に対応できる部分も、OEMでは制約が生まれます。この点は理解しておく必要があります。
とはいえ、OEMは今後ますます重要な戦略になることは間違いありません。
実際、私の周囲にもOEM委託を希望する企業がたくさんありますが、信頼できるOEM先がなかなか見つからないという声を多く聞きます。
もし、ある程度資金的余裕があるのであれば――
工場建て替えと同時に生産力を拡大し、OEMを受託する側にまわるというビジネスモデルは、今後大きな成長が期待できるでしょう。
令和という時代の中で、これからの生産のあり方を見直すタイミングが来ています。
ぜひ、貴社にとっての選択肢の一つとして、OEMの活用を検討してみてください。
お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。