2025.04.28

前途多難な令和における賢い商品生産モデル

こんにちは、北條です。

今回は、令和の厳しい経済状況下で食品メーカーがどのように事業継続のための生産体制を築いていくべきか――
その一つの「賢い選択肢」となる生産モデルについてご紹介したいと思います。


建築費高騰で工場が建て替えられない時代

以前の記事でもお伝えしましたが、現在、建築費の高騰により、工場の建て替えが思うように進まないケースが増えています。

多くの食品メーカーでは、高度経済成長期(1955〜1973年)に建てた工場を、今なお使い続けているのが実情です。
しかし、稼働からすでに50年近くが経過し、建物や設備の老朽化は避けられません。耐用年数も超えてしまっているため、将来的な事業継続を見据えれば、いずれ必ず建て替えが必要になります。


限られた予算でもできる工場の在り方とは?

こうした状況下で、最近は工場建設に関するご相談を多くいただくようになりました。
特に、金銭的に余裕がない企業にとっては、コストを抑えながらも事業を維持・発展させるための方法を模索しているところです。

そこで、今回は一つの有効な選択肢として、以下のモデルをご紹介します。


OEMを取り入れた生産体制のススメ

いま、多くのメーカーが戦略的に活用しているのが「OEM(他社による製造委託)」です。

実際、私たち茜丸にもOEMに関するご相談をいただくことがありますし、私たち自身も常に良いOEM先を探しています。
OEM化は、生産効率を高めるために非常に有効な手段です。


単一商品の集中生産で効率アップ

工場においては、複数の商品を製造するよりも、単一商品を集中して作るほうが圧倒的に生産効率が高まります。
そのため、工場を新しく建てる場合は、自社の主力商品に特化した工場とし、サブ商品についてはOEMに切り替えるという戦略が注目されています。


OEM活用のメリットとは?

このモデルの利点は多岐に渡ります。

  • 人手不足への対応

  • 人件費・設備費の高騰対策

  • 生産性の向上(単位時間あたりの生産量増加)

  • 工場建設費の節約

たとえば、10種類の食品を製造していた工場が、よく売れる5種類のメイン商品に絞った設計に変更すれば、それだけ建て替え費用を抑えられます。


ハイブリッド型生産の可能性

これからの時代に有効となるのが、「自社生産 × OEM」のハイブリッド型生産モデルです。

ただし、このモデルにはいくつかの注意点もあります。


OEMの課題とリスク

OEMには外部依存のリスクがつきものです。

  • OEMの価格上昇

  • 委託先が見つからないという課題

  • 製品の味や仕様の改良が難しい

自社工場であれば柔軟に対応できる部分も、OEMでは制約が生まれます。この点は理解しておく必要があります。


OEM対応力が企業の武器になる時代へ

とはいえ、OEMは今後ますます重要な戦略になることは間違いありません。

実際、私の周囲にもOEM委託を希望する企業がたくさんありますが、信頼できるOEM先がなかなか見つからないという声を多く聞きます。


今後のビジネスモデルとしての可能性

もし、ある程度資金的余裕があるのであれば――
工場建て替えと同時に生産力を拡大し、OEMを受託する側にまわるというビジネスモデルは、今後大きな成長が期待できるでしょう。

令和という時代の中で、これからの生産のあり方を見直すタイミングが来ています。
ぜひ、貴社にとっての選択肢の一つとして、OEMの活用を検討してみてください。

お気軽にお問い合わせ、ご相談ください。