2025.11.19

間違った人材を本採用しないために有効な「トライアル雇用」

はじめに

こんにちは、北條です。

御社では、間違った人材を採用してしまったことはありますか?

ご存じの通り、中小企業ほど間違った採用のダメージは大きいものです。
たとえば、従業員5人の会社に1人新しい社員を迎えた場合──
育成に半年かかるとすれば、

月給30万円 × 6ヶ月 = 約180万円

1人前に育てるまでに、これだけのコストがかかります。

つまり、人材育成には膨大なリソースが必要
だからこそ中小企業にとって、「正しい人材を採用すること」は極めて重要なテーマです。


採用の難しさと“見えないズレ”

しかし、現実には採用の失敗は少なくありません。

  • 書類選考はOK

  • 適性検査もOK

  • 面接もOK

──そんな人でも、入社後に会社に馴染まないことがあります。

私自身、これで何度も失敗を経験しました。
その経験から、弊社では「トライアル雇用」を導入。
今ではこれなしでは採用できないと感じるほどになっています。


“大手出身者”が必ずしも戦力になるとは限らない

トライアル雇用の重要性を実感したきっかけは、
経歴や肩書きだけで判断する危うさ」に気づいたことです。

実際の失敗例

あるとき採用した方は──

  • 前職が大手メーカー

  • 高い役職に就いていた

一見、完璧な経歴でした。
しかし実際に働いてもらうと、

  • 会社に馴染めない

  • 職務スピードが異常に遅い

  • パソコンスキルが不足している

といった問題が次々と出てきました。

なぜこうしたズレが起こるのか?

理由はいくつかあります。

  1. 大手と中小で求められる能力が違う
    大手では分業が進み、同じ業務のルーティン化も多い。
    一方、中小企業では「臨機応変さ」「対応力」「総合力」が求められます。

  2. 作業スピードの感覚が違う
    大手出身者の中には、丁寧だが遅いタイプの人も多く、
    少人数の現場ではそれが致命的になることがあります。

  3. 実際のスキルレベルがわかりづらい
    「パソコンが得意」と言っても、前職ではフォーマットに入力するだけ──
    というケースも珍しくありません。

面接では誰でも良い印象を作れます。
しかし、実際に1〜2日一緒に働くと、その人の“本当の適性”が見えてきます。

だからこそ、「トライアル雇用」は中小企業の採用において欠かせない仕組みだと感じています。


トライアル雇用を導入する際の注意点

ここからは、実際にトライアル雇用を導入する際に意識すべきポイントを2つ紹介します。


ポイント1:研修と混同しない

トライアル雇用で最もやってはいけないのは、「研修」と履き違えることです。

研修なら、

  • ビジネスを丁寧に説明し、

  • 作業を一つひとつ教えていく

という流れになりますが、トライアル雇用ではあえて**「粗い指示」**を出します。

なぜなら、丁寧に指示を出せば誰でも仕事はできるからです。
あえて抽象的な指示を出し、どんな行動を取るかを見ることで「対応力」「思考力」を判断します。

例:

「会議の議事録を取ってください」とだけ伝えると、

  • 自ら考えて質の高いものを出してくる人

  • わからない部分を質問し、的確に補足してくる人

──こうした違いがはっきり見えてきます。

トライアル雇用は“学ばせる場”ではなく、“見極める場”
目的の違いを明確にして臨むことが大切です。


ポイント2:お金は必ず支払う

もう一つ大切なのは、必ず報酬を支払うことです。

弊社では、「最低賃金+交通費」をきちんとお支払いしています。
たとえ採用見送りになっても、素早く支払うようにしています。

理由はシンプルで、
「トライアル=タダ働き」と誤解されると、会社の評判に直結するからです。

特に「会社のレビューサイト」に悪評を書かれると、今後の採用活動に大きな影響を与えます。

「タダ働きさせられた」と書かれたら致命的です。

そのため、短期雇用契約を交わすのがベスト。
弊社ではGMOサインを使って電子契約を行っています。


2日間で“本当の姿”が見える

トライアル雇用のおすすめ期間は2日間です。
1日では判断が難しくても、2日あれば人柄や性格がはっきり見えてきます。

私自身、お昼を一緒に食べながら雑談を交え、
仕事以外でのコミュニケーションも確認しています。

人間性や相性は、こうした自然な時間の中で最もよく見えるものです。


まとめ:トライアル雇用で採用の精度を高める

  • 採用の失敗は中小企業にとって致命的な損失

  • 経歴や印象だけでなく、実際に働く姿を見ることが大切

  • 「研修ではなく見極め」「報酬はしっかり支払う」が基本ルール

  • 2日間あれば、本当の職場適性が見えてくる

トライアル雇用を導入すれば、ミスマッチが減り、採用の精度が大幅に上がります。
ぜひ、貴社でも取り入れてみてください。

北條

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