2025.02.01

強い農業づくり総合支援交付金【愛媛県農業法人(スマート農業で作付けと輸出を拡大した果汁濃縮工場)】

愛媛県の柑橘産地では、高齢化と人手不足が進み、農地維持が課題になっていました。
地域の農業法人は、規格外果実を濃縮果汁に加工し、輸出によって収益を確保する計画を立てました。
アジア市場を見据えた輸出対応加工食品工場を中心とした計画です。

都道府県庁・農政局との協議を重ね、最初に問われたのは「輸出の実現性」でした。
どの国に、どの規格で、どの量を出すのか。
行政は実行可能性を定量的に求めました。

チームは次の資料を整備しました。
・輸出先別(アジア・欧州)の需要予測データ
・商談記録、輸出規格書(EU・FDA基準)
・輸出量計画(3年後2,000トン)
・HACCPおよびFSSC22000対応設備の設計図

さらに、契約農家の作付け面積データをシステム化し、
AIで処理能力と供給量を自動連動させるスマート農業モデルを提案しました。

 

採択と成果

事業費:15億円 補助金額:7億5000万円(補助率約1/2)

 

採択の決め手は、計画全体が単なる設備更新ではなく、
産地全体を支えるスマートインフラとして評価されたことでした。

稼働後、年間8,000トンの原料を処理し、参加農家100戸、 作付け面積は従来比1.5倍に拡大。年間輸出量は2,000トン、 輸出売上は約10億円に達しました。

AI制御ラインを導入し、糖度や酸度データをクラウドで共有。
農家がスマートフォンで収穫時期を最適化できるようになり、廃棄ロスが減少。
地域の生産性が向上し、農地の維持と輸出拡大の両立が可能となりました。

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