こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
信用情報機関(TSR)の実データを集計した
**「食品業界ビッグデータ分析」(全9回)**の第2回をお届けします。
今回は、
「商品カテゴリ」
という切り口から、
儲かる商品群
袋小路に沈む商品群
を分析していきます。
前回は食品業界全体を俯瞰し、
営業利益率の中央値:1.0%
1人あたり売上高:約2,100万円
という厳しい現実をお伝えしました。
今回はその全体像を、
商品カテゴリ別に分解して見ていきます。
TSRデータを分析すると、
業種ごとに利益率の分布は大きく異なり、
勝ち筋に立てる商品群と
袋小路に沈む商品群
が明確に分かれることが見えてきます。
TSRの営業利益率分布から、
食品メーカーは大きく次の3つの群に整理できます。
勝ち筋を持ち、
価格競争を避けられる商品群。
平均水準に近く、
戦略次第で伸びも沈みもする商品群。
袋小路に入り込みやすく、
構造的に厳しい商品群。
保存性が高く、
物流効率・在庫効率が良い。
大手だけでなく、
中堅企業でも利益を残せる構造があります。
ブランドを築きやすく、
価格転嫁もしやすい。
家庭内需要も安定しています。
健康志向を背景に、
付加価値を訴求しやすい分野です。
高単価・差別化が可能です。
これらの業種には共通点があります。
保存性・機能性といった要素を持ち
価格競争に巻き込まれにくい
という構造です。
市場は伸びていますが、
労働集約型のビジネスです。
原価比率が高く、
中小企業では利益が薄くなりがちです。
規模があれば安定収益になりますが、
差別化が難しい市場です。
販路によって利益率が大きく変わります。
この分野は
戦略次第で高収益にも低収益にも転ぶ
という特徴があります。
放置すれば低収益に沈み、
設計すれば勝ち筋に移れる分野です。
観光需要やインバウンドに依存しやすく、
価格転嫁が難しい。
薄利多売の構造で、
大手チェーン以外は利益が残りにくい。
販路が限定され、
需要変動の影響を直接受けます。
低収益群には共通点があります。
単価が低い
販路が狭い
利益が構造的に残らない
TSRデータでも、
和菓子・土産菓子の営業利益率中央値は
0.6%前後
となっています。
つまり、
真ん中の企業がほとんど利益を出せていない
という構造です。
低収益群と聞くと、
未来が閉じているように感じるかもしれません。
しかしデータが示しているのは、
「現状のままでは沈む」
という事実です。
構造を変えれば、
抜け出す道はあります。
例)
和菓子 → 冷凍和菓子・常温ギフト
パン → 機能性パン・冷凍パン
商品構造を変えることで
利益率を改善できる可能性があります。
観光依存から、
EC
業務用(病院・介護・給食)
などへ展開。
さらに、
小ロット輸出でアジア市場へ
進出する企業も増えています。
「土産品」から
地域ブランド食品
へ。
補助金を活用し、
パッケージ
衛生基準
商品規格
を刷新することで、
スーパーや輸出販路に乗せることが可能になります。
事業再構築補助金や
農水省系補助金を活用し、
第二の商品柱
を作る方法です。
実際に、
和菓子メーカーが洋菓子ラインを併設
した例もあります。
TSRデータを見ると、
業界ごとに平均値と中央値の差が大きく異なります。
平均:4〜5%
中央値:3%台
→中堅企業でも勝てる市場。
平均:1.9%
中央値:0.6%
→中間層が利益を出せない構造。
平均:2〜3%
中央値:1%台
→規模と戦略で差が出る市場。
つまり、
平均ではなく「中央値」で見ること
が重要です。
自社が
中央値より上か、下か
を確認する必要があります。
御社の商品群は
どの群に属していますか?
平均を上回っていますか?
それとも、
中央値以下に沈み、袋小路に近づいていませんか?
食品業界のビッグデータが示すのは、
どの商品に軸を置くかで未来が変わる
という事実です。
高収益群 → 先行投資で差を広げる
中位群 → 戦略で勝ち筋に移る
低収益群 → 商品・販路・ブランドを再設計する
商品戦略こそ、
最大の経営戦略
です。
補助金や制度は、
商品戦略を実行するための資金設計
として活用することができます。
次回は
「人材と組織」
という視点から、
従業員数
労働生産性
社長年齢
を分析します。
数字から見える
組織の健康度
とは何か。
御社が平均より上か下か、
ぜひ確かめてみてください。
── 北條竜太郎
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