こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
本日から全9回にわたり、
信用情報機関(TSR)の実データをもとにした
「食品業界ビッグデータ分析」
をお届けします。
私たちは毎年、数百万円をかけて
このデータを購入しています。
決して安い投資ではありません。
しかし、食品業界に本気で取り組む以上、
業界の動向を数字で読み解き、未来を設計すること
は欠かせないと考えています。
少し大げさに言えば、
食品業界のシンクタンクのような存在でありたい
という思いがあります。
今回も購入したデータをもとに、
食品業界の構造を分析しました。
これから以下の9つのテーマに分けて、
順番に解説していきます。
業界全体の現実(今回)
商品カテゴリ別の勝ち筋と袋小路
規模・年齢と業績の相関
財務体質(利益率×自己資本比率)
地域差と勝ち筋カテゴリ
社長の趣味と業績の相関
輸出と国際展開の可能性
承継問題と縮小均衡
総括と未来地図(利益率1%の壁を越えるシナリオ)
膨大なビッグデータを分析した結果、
商品カテゴリ別の勝ち筋
社長年齢と業績の関係
地域ごとの成長構造
など、非常に興味深いデータが見えてきました。
まず第1回は、
食品業界の「現実」
から見ていきます。
今回分析したTSRデータは、
食品関連企業:21,980社
売上データ有効サンプル
という大規模なものです。
このデータから中央値を算出すると、
食品業界の実態は次のようになります。
従業員1人あたり売上高
約 2,173万円/人
営業利益率
1.0%
自己資本比率
30.2%
つまり、
食品メーカーの「平均的な会社」は
1人あたり年間 約2,000万円の売上
利益は わずか1%程度
という状況です。
さらに外れ値を除いた平均値でも、
営業利益率は1.38%
に過ぎません。
この水準では、
原材料価格が少し動くだけで赤字に転落
します。
実際、TSRデータを見ると
黒字と赤字の境界線上にいる企業が
全体の4割以上
にのぼります。
さらに、
社長年齢の中央値は 60歳以上
後継者不在による 静かな廃業
も増えています。
つまり食品業界は、
需要はある
しかし儲からない
利益が出ても続けられない
という
二重苦の構造
に直面しています。
ここで、いくつか問いかけをさせてください。
御社の数字はどうでしょうか。
1人あたり売上
業界中央値
2,173万円
を超えていますか?
営業利益率
中央値
1.0%
を上回っていますか?
自己資本比率
30%以上
を確保できていますか?
もしこれらを下回っている場合、
それは珍しいことではありません。
むしろ、
食品業界の「普通」
なのです。
ここまで見てきたように、
食品業界全体は非常に厳しい
これはTSRの実データが示す、
揺るぎない事実です。
しかし分析を進めると、
明確な「勝ち筋」を持つ企業
も浮かび上がります。
例えば次のような企業です。
高付加価値商品を持つ企業
生産性が高い企業(1人あたり売上が高い)
自己資本比率が高く投資余力を持つ企業
こうした企業は実際に存在し、
数字でも明確な差
が出ています。
私たちがデータを購入し、
分析を続けている理由は、
未来を分ける「勝ち筋」を示すため
です。
補助金支援にとどまらず、
食品業界のシンクタンクとして
構造を読む地図を示す
これがアカネサスの役割だと考えています。
次回は、
「商品カテゴリ」
という視点から、
儲かる商品群
袋小路に沈む商品群
を分析します。
御社の商品は、
平均を押し上げる側なのか
それとも中央値を押し下げる側なのか
数字で確認していただきます。
この連載は 3週間・全9回 でお届けします。
業界全体の現実
商品カテゴリ別の勝ち筋と袋小路
規模・年齢と業績の相関
財務体質(利益率×自己資本比率)
地域差と勝ち筋カテゴリ
社長の趣味と業績の相関
輸出と国際展開の可能性
承継問題と縮小均衡
総括と未来地図(利益率1%の壁を越えるシナリオ)
このシリーズでは、
食品業界の全体像から未来の勝ち筋まで
をデータで示していきます。
皆様の戦略判断の材料として
役立てていただければ幸いです。
── 北條竜太郎
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