こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
これまで4回にわたり、
不安の正体や脳のクセ
失敗を資産に変える力
不安に飲まれない習慣
についてお伝えしてきました。
今回は第5回──
「未来は一つじゃない:複数シナリオの経営術」
です。
経営者が不安に飲まれる最大の原因は、
未来を“失敗する一択”に固定してしまうこと
です。
「新規投資はきっと赤字になる」
「採用してもすぐ辞めるに違いない」
「銀行はもう貸してくれない」
こう決めつけた瞬間、
不安は一気に現実味を帯びて膨らみます。
しかし、本来未来は、
最初から一つに決まっているものではありません。
経営に必要なのは、
未来を複数のシナリオで同時に描くこと
です。
基本は、次の3つです。
最悪の未来を想定し、守りを固める
現状の延長線上で、堅実に積み上げる
大胆な成長を想定し、投資を仕込む
この3つを並べるだけで、
「失敗しかない」という思い込みは崩れます。
脳が、
「複数の可能性がある」と認識するからです。
たとえば「新規OEM事業」を考える場合。
初年度は回収が遅れ、赤字1億。
資金繰りを圧迫し、撤退判断。
2年目で黒字化。
年商2億規模の安定事業へ。
3年以内に年商10億へ拡大。
輸出も加わり、収益構造が変わる。
このように「数字付き」で並べることで、
守りながら攻める判断が可能になります。
2025年には
「化石燃料非拡散条約」という議論が浮上しました。
背景には、
脱炭素に失敗する未来
緩やかに移行する未来
技術革新で一気に進む未来
という、
複数の前提シナリオの存在があります。
だからこそ、国家も企業も
柔軟に意思決定できる。
民事再生と自己破産を経験した後、
私の頭の中には、
「再建に失敗する未来」しかありませんでした。
当然、動けません。
しかし、
OEMに投資する未来
補助金を活用する未来
海外に展開する未来
と複数描いた瞬間、
不安は一段階、弱まりました。
そして自然と、
行動が生まれた。
未来は「三択問題」である。
失敗一択を、答えにするな。
来期の重点事業を1つ決めてください。
そして、次の3つを書き出します。
悲観シナリオ(最悪)
基準シナリオ(現状)
成功シナリオ(最大成長)
「新規OEM事業」
悲観:赤字1億で撤退
基準:年商2億で安定
成功:年商10億+輸出
この3行だけで、
視界は確実に広がります。
不安は「一択」から生まれるからです。
いよいよ最終回。
「2026年を迎える経営者へ」
過去をどう意味づけ、
現在をどう整え、
未来をどう選ぶのか。
シリーズの総まとめとしてお届けします。
倒産と破産を経験して、はっきり分かりました。
「どうせ失敗する」と思った瞬間、
人は動けなくなる。
しかし現実は、
未来は常に複数ある。
そして、
数字を伴って並べた瞬間、
不安は小さくなり、行動が生まれる。
経営者にとって未来を描くとは、
選択肢を増やし、備えること
そのものです。
── 北條竜太郎
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