2026.07.10

判断に不安が付きまとう経営者へ ②脳は不安を増幅させる【全6回】

こんにちは。
アカネサス代表の北條です。

前回は
「未来の不安は未来から来ない」というテーマで、

不安の正体は“過去の影”である

とお伝えしました。

今回はそこから一歩進めて、

「脳は不安を増幅させる」

というテーマでお話しします。


脳の安全装置が経営者を苦しめる

人間の脳は、生き延びるために

危険を優先して記憶する

ように設計されています。

そのため、

  • 一度の失敗

  • 資金繰りの苦い経験

といった出来事は、

実際以上に拡張され、未来を悲観的に見せる

性質を持っています。


経営を歪める「ネガティブ回路」

この脳の仕組みは、経営判断に直接影響します。


資金繰りの失敗を経験した場合

過去に資金ショートを経験していると、

→ 現金が十分にあっても
 「まだ足りない」と感じる

結果として、

投資を止めてしまう


採用で失敗した場合

採用した人材がすぐ辞めた経験があると、

→ 次の採用に踏み出せない

結果として、

人手不足を放置する


新規事業で失敗した場合

一度赤字を出した経験があると、

→ 「どうせまた失敗する」と判断する

結果として、

勝てる市場から自ら退場する


これらはすべて、

脳のネガティブ回路が引き起こしている現象

です。


私自身の体験

私は、民事再生の影響で自己破産を経験しました。

その後、

  • 売上が伸びても

  • 現金が積み上がっても

夜眠れないほど、

「また資金が尽きるのではないか」

という不安に襲われ続けていました。

しかし実際には、危機ではありません。

脳が過去の映像を再生し、不安を拡張していただけだったのです。


経営者への示唆

ここで重要なのは、

脳が見せる“最悪の未来”は、事実ではない

ということです。

それは、

記憶の再生にすぎない

だからこそ経営者は、

自分の脳すら疑う必要がある

のです。


判断を守るための問い

意思決定の前に、こう問いかけてください。

「これは事実か?
それとも脳の想像か?」

この切り分けが、

冷静で正確な判断を守ります。


実践ワーク:不安の分解

次のワークを試してみてください。


ステップ①

来期に対する「最悪の未来」を1つ書き出す


ステップ②

その横にこう書く

「事実か?それとも想像か?」


具体例

  • 「売上が半減する」
     → 事実:主要顧客の発注減?
     → 想像:過去の失注経験の影響?

  • 「社員が辞める」
     → 事実:退職の兆候はあるか?
     → 想像:過去の離職体験の投影?


こうして分解することで、

不安は“現実”ではなく“脳の産物”であると見抜けます。


次回予告

次回は、

「失敗を資産に変える」

というテーマです。

  • 失敗を“傷跡”にするのか

  • それとも“資産”にするのか

その違いを、私自身の体験も交えてお伝えします。


編集後記

倒産・破産を経験した後の私は、

長いあいだ、脳が見せる「不安の映像」に縛られていました。

しかし、それが

「脳の安全装置の暴走」にすぎない

と理解した瞬間から、
不安に飲まれる時間は大きく減りました。

経営者は、

  • 環境だけでなく

  • 自分の思考(脳)とも向き合う必要がある

そう感じています。


── 北條竜太郎

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