こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
年商15億円以下の食品メーカーが、偽装発覚によって倒産するまでの期間をご存じでしょうか。
答えは、わずか「3ヶ月」です。
かつて製造日偽装が問題となった赤福は、年商70億円という事業規模があったからこそ、長い時間をかけて復活することができました。
しかし、同じことがあなたの会社で起きた場合、耐えられるだけの体力はあるでしょうか。
今回から全3回にわたり、「どの方向に進んでも出口がない会社」、つまり「袋小路の経営」について考えていきます。
もし偽装が発覚したら、何が起きるのでしょうか。
実際に起こり得る倒産の流れを時系列で整理してみます。
取引先による監査が入ります。
監査によって、賞味期限表示などの問題が次々と発見されます。
不正情報が一気に広がります。
売上の大部分を失います。
資金繰りが急速に悪化します。
資金ショートにより倒産します。
たった3ヶ月です。
対策を考える時間も、立て直す時間もありません。
2007年、食品業界では大きな不祥事が相次ぎました。
30年以上続いた製造日偽装が内部告発によって発覚。
営業禁止命令を受け、復活まで長い年月を要しました。
産地偽装や食べ残しの再利用が発覚。
半年後に廃業し、100年続いた歴史に幕を下ろしました。
消費期限切れ原材料の使用が発覚。
全工場が操業停止となり、その後は他社グループの支援を受ける形となりました。
これら3社には共通点があります。
それは、すべて内部告発から始まったことです。
そしてもう一つ。
年商10億円規模だった船場吉兆だけは、復活することができませんでした。
なぜ偽装は続けられていたのでしょうか。
答えは単純です。
偽装をやめると利益が出なくなるからです。
賞味期限を正規運用に戻せば、廃棄ロスが増えます。
廃棄ロスが増えれば原価率が上がり、利益は減少します。
つまり、不適切な運用が収益構造の一部になってしまっているのです。
問題は、
「コンプライアンスを守れば解決する」
ことではありません。
コンプライアンスを守ると、事業そのものが成立しなくなる場合があることです。
ここに、食品メーカーの根深い問題があります。
「これまで30年間発覚しなかったのだから大丈夫」
そう考える経営者もいるかもしれません。
しかし、その考え方はもはや通用しません。
こうした環境変化によって、内部告発のハードルは大きく下がっています。
もはや問題は、
「起きるかどうか」
ではありません。
「いつ起きるか」
なのです。
ここまで読むと、
「それなら偽装をやめればいい」
と思うかもしれません。
もちろん、その通りです。
しかし、やめれば利益が消える。
では、
「現状維持でいいのではないか」
と思うかもしれません。
しかし、そのままではいつか発覚します。
つまり、
どちらを選んでも出口がない。
これが食品メーカーが陥る「袋小路」の一つ目です。
そして多くの方はこう考えるでしょう。
「設備投資で効率を上げて、正攻法で収益構造を立て直せばいい」
確かに自然な発想です。
しかし、その先にも大きな壁が待っています。
その理由については、次回お伝えします。
まずは、自社の状況を客観的に確認してみてください。
特に重要なのは5番目です。
知っている人が多いほど、内部告発リスクは高くなります。
次回は、
「建て替えできない工場という時限爆弾」
をテーマにお届けします。
設備投資で解決しようとしても建て替えができない。
移転しようとしても現実的ではない。
現状維持を選んでも建物は劣化し続ける。
どの方向にも進めない、もう一つの「袋小路」を解説します。
── 北條竜太郎
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