こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
前回は、
暖簾は出発点ではなく、結果にすぎない
というお話をしました。
今回はその続きとして──
暖簾が「価値」を発揮するケース
暖簾が「足かせ」になるケース
この2つを整理していきます。
まず、暖簾には
明確に整理できる「3つの価値」があります。
長年の取引で培われた
支払いは確実
品質は安定
という信頼です。
これは単なる印象ではなく、
銀行の融資判断や、仕入れ条件に直結する“経済的価値”
を持ちます。
職人の技能、
長く勤める社員のノウハウ、
業界内に蓄積された暗黙知。
これらは書類には残りませんが、
事業承継や再建の場面では決定的な差を生む資産
です。
「老舗」「地元の顔」としての存在感。
行政や地域社会との関係性は、
新規参入では一朝一夕に築けない価値
です。
そして重要なのは、
これらは数字に現れにくいにもかかわらず、
M&Aの現場では数億、時に数十億円の価値として評価される
という点です。
これこそが、
暖簾の正体です。
しかし、暖簾は常にプラスとは限りません。
次のような状態に陥ったとき、
暖簾は一気に“重荷”へと変わります。
過去の商品や仕組みに固執する
「老舗だから」という理由で変化を拒む
社員が「看板に守られている」と錯覚する
この状態になると、
暖簾は資産ではなく、
会社の動きを止める“足かせ”になります。
倒産再建の過程で、
私自身も
「暖簾を守ること」に執着していました。
結果どうなったか。
変化は遅れ
判断は鈍り
戦略は歪みかけた
その後、ようやく気づいたのは──
暖簾は“残すもの”ではなく、“活かすもの”である
ということです。
信用・技術・地域性を資産として認めながらも、
それを未来のビジョンに接続できなければ、
暖簾はただの「過去の遺産」に変わる。
この違いは決定的です。
暖簾は、
資産にもなり、足かせにもなる。
その分かれ道は、ただ一つです。
それが未来のビジョンにつながっているかどうか
活かせば資産になる
しがみつけば足かせになる
どちらにするかは、
経営者の意思そのものです。
一度、次の整理をしてみてください。
自社の暖簾を
「信用」「人材・技術」「地域」の3つに分解する
それぞれが
「未来のビジョン」にどうつながるかを線で結ぶ
つながらないものは
「整理すべき過去」として扱う
この作業だけで、
暖簾が「資産」か「足かせ」かが明確になります。
暖簾は、誇りであり、同時に重荷でもあります。
本当に価値を生むのは、
暖簾そのものではなく、
それを未来につなげる経営者の意思
です。
あなたの暖簾は、資産になっていますか?
それとも──
気づかぬうちに、
足かせになっていませんか?
── 北條竜太郎
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