こんにちは。
アカネサス代表の北條です。
今回は、信用情報機関(TSR)の実データを集計した
**「食品業界ビッグデータ分析」(全9回)**の第7回をお届けします。
第1回で示した通り、食品メーカーの平均像は以下の通りです。
従業員1人あたり売上高:約2,173万円/人
営業利益率:1.0%
自己資本比率:30.2%
つまり、
売上は小さく、利益は1%、資本は30%台
という、非常に脆弱な構造にあります。
この「利益率1%の壁」を越える手段のひとつとして、
多くの企業が注目しているのが──
輸出(海外市場)です。
まず、TSRの財務データから
利益率3%以上の企業が多い業種を抽出すると、
いくつかの特徴的なカテゴリが見えてきます。
生菓子製造業(和菓子・洋菓子):221社
菓子小売業(製造直売):128社
ビスケット・干菓子製造業:74社
同じ「菓子」でも、
土産菓子 → 低収益に沈みやすい
ブランド菓子・製造直売 → 高収益層に集中
という、構造的な分岐が明確に存在します。
清酒製造業:103社
清涼飲料製造業:82社
その他調味料製造業:62社
これらは、
国内外ともに需要が安定し、輸出とも親和性が高い
カテゴリです。
冷凍調理食品製造業:56社
弁当・調理パンなど:75社
水産加工品:144社
これらは、
国内需要縮小の中でも伸びる“構造型勝ち筋”
として、高収益層に登場しています。
食品機械・装置製造業:215社
食品そのものではありませんが、
食品産業を支える“装置側”が高収益である
点は見逃せない特徴です。
農林水産省の発表によると、
2024年の食品輸出額は
1兆5,073億円(過去最高、12年連続増加)
となりました。
特に伸びているのは以下のカテゴリです。
酒類(日本酒・ウイスキー)
→ この10年で3倍以上に拡大
調味料(しょう油・みそ・だし)
→ 家庭用・業務用ともに拡大
菓子類
→ 香港・台湾・ASEANで伸長
冷凍食品
→ アジア市場で需要増大
ここで重要なのは、
TSRデータで“高収益”の業種と、輸出で伸びている業種が一致している
という点です。
御社の業種は、
「高収益 × 輸出成長」カテゴリに入っていますか?
入っている → 利益率3%以上の層に入る可能性がある
入っていない → 国内外ともに「1%の壁」に沈むリスクが高い
輸出は確かに有効です。
しかし、その本質はこうです。
ブランド菓子(製造直売)
酒・飲料
調味料
冷凍食品
水産加工
→ 構造的に高収益を作れる業種
惣菜OEM
観光依存型土産菓子
→ そもそも高収益構造に入っていない
つまり、
輸出は万能ではない。
“勝ち筋業種だけが壁を突破できる武器”である。
第8回は
「承継問題」
をテーマに扱います。
社長年齢
後継者不在
縮小均衡
これらが業績にどう影響しているのかを、
データから明らかにします。
── 北條竜太郎
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