2026.07.17

「絶対こうなる」と思い込んでませんか? 【5】未来は一つじゃない:複数シナリオの経営術【全6回】

こんにちは。
アカネサス代表の北條です。

これまで4回にわたり、

  • 不安の正体や脳のクセ

  • 失敗を資産に変える力

  • 不安に飲まれない習慣

についてお伝えしてきました。

今回は第5回──

「未来は一つじゃない:複数シナリオの経営術」

です。


不安の正体は「未来を一択にしてしまうこと」

経営者が不安に飲まれる最大の原因は、

未来を“失敗する一択”に固定してしまうこと

です。

  • 「新規投資はきっと赤字になる」

  • 「採用してもすぐ辞めるに違いない」

  • 「銀行はもう貸してくれない」

こう決めつけた瞬間、

不安は一気に現実味を帯びて膨らみます。

しかし、本来未来は、

最初から一つに決まっているものではありません。


シナリオプランニングという武器

経営に必要なのは、

未来を複数のシナリオで同時に描くこと

です。

基本は、次の3つです。


■ 悲観シナリオ

最悪の未来を想定し、守りを固める

■ 基準シナリオ

現状の延長線上で、堅実に積み上げる

■ 成功シナリオ

大胆な成長を想定し、投資を仕込む


この3つを並べるだけで、

「失敗しかない」という思い込みは崩れます。

脳が、

「複数の可能性がある」と認識するからです。


経営シナリオの具体例

たとえば「新規OEM事業」を考える場合。


■ 悲観シナリオ

初年度は回収が遅れ、赤字1億。
資金繰りを圧迫し、撤退判断。


■ 基準シナリオ

2年目で黒字化。
年商2億規模の安定事業へ。


■ 成功シナリオ

3年以内に年商10億へ拡大。
輸出も加わり、収益構造が変わる。


このように「数字付き」で並べることで、

守りながら攻める判断が可能になります。


社会も同じ構造で動いている

2025年には
「化石燃料非拡散条約」という議論が浮上しました。

背景には、

  • 脱炭素に失敗する未来

  • 緩やかに移行する未来

  • 技術革新で一気に進む未来

という、

複数の前提シナリオの存在があります。

だからこそ、国家も企業も

柔軟に意思決定できる。


私の実体験──未来を一つにしていた頃

民事再生と自己破産を経験した後、

私の頭の中には、

「再建に失敗する未来」しかありませんでした。

当然、動けません。

しかし、

  • OEMに投資する未来

  • 補助金を活用する未来

  • 海外に展開する未来

と複数描いた瞬間、

不安は一段階、弱まりました。

そして自然と、

行動が生まれた。


経営者への示唆

未来は「三択問題」である。
失敗一択を、答えにするな。


実践ワーク:3つの未来を書く

来期の重点事業を1つ決めてください。

そして、次の3つを書き出します。


  • 悲観シナリオ(最悪)

  • 基準シナリオ(現状)

  • 成功シナリオ(最大成長)


「新規OEM事業」

  • 悲観:赤字1億で撤退

  • 基準:年商2億で安定

  • 成功:年商10億+輸出


この3行だけで、

視界は確実に広がります。

不安は「一択」から生まれるからです。


次回予告

いよいよ最終回。

「2026年を迎える経営者へ」

過去をどう意味づけ、
現在をどう整え、
未来をどう選ぶのか。

シリーズの総まとめとしてお届けします。


編集後記

倒産と破産を経験して、はっきり分かりました。

「どうせ失敗する」と思った瞬間、
人は動けなくなる。

しかし現実は、

未来は常に複数ある。

そして、

数字を伴って並べた瞬間、
不安は小さくなり、行動が生まれる。


経営者にとって未来を描くとは、

選択肢を増やし、備えること

そのものです。


── 北條竜太郎

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